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執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.162(2021.5.30)ZOOMから見えてきた授業課題

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 全国学力学習状況調査の自校採点の速報を複数の学校からいただいた。かなり伸びている学校には、大きな特徴がある。それは、Zoomで見た全国の学校の授業と似ている。Zoomでは、教室の後ろから写すため、子供たちの姿勢や教師の立つ位置がよくわかる。「これでは子供が退屈するだろうな」「いくらしゃんとしなさいと言っても効き目はないだろうな」と思うことがある。一方、これは良いと思う授業にも特徴がある。子供が教師の話を聞く機会が少なく、どんどん主体的に作業をしていく授業だ。ZOOMから見えてきた授業課題を整理する。


1 作業を多く!

 「子供が落ち着かない」「話を聞く姿勢ができていない」。このことは、教師側から見ればそうだが、反対に子供の側から見たら当てはまるだろうか。「先生が長くしゃべっている」「やたらと指示が多く教師タイムが続く」。解決するのは教師が変わるしかない。「話は短く」「子供が作業をどんどん進めていく」ことを目指すとよい。「何回も何回も教師が指示をする」のではなく、問題解決的な学習の手順に沿って子供を信じて授業を任せるとよい。まず、自らの授業ビデオを見て子供の様子を見られるとよい。


2 「聞く・話す・書く・読む」のリズムで

 授業にはリズムが必要だ。1でも述べたが、教師の話を聞くだけでは、子供の思考が止まる。何回も何回も教師の話を聞いたら、子供は授業から離れていく。そこで、リズミカルに聞く・話す・書く・読む・タッチのサイクルを心がける。このサイクルがうまく回れば、授業展開を子供が主体的に行うと思う。なお、聞くは、子供の仲間の声を聞くことで、教師の長々とした話を聞くことではない。タッチは、タブレットを使用することだ。注意することは、タッチのタブレット作業の時間が多すぎてはいけない。


3 子供同士の「対話」を多く、教師と子供との対話を少なく

 アクティブ・ラーニングの良さは、子供同士が自然体で意見交換ができることだ。問題は見たらペアで「気づき」の意見交換をする。課題を書いたら「見通し」の内容を仲間で話し合う。自力解決ができないときは仲間から聞く。意見交流では「ぶらぶらタイム」「ワールドカフェ」。タブレットで少人数の意見交換。考察では、仲間の考えたことを少人数で構造化を図った上で考察をしていく。子供同士の「対話」がたくさんある授業がよい。

 一斉指導や予備校的な指導にみられる限られた子供と話し合うような授業展開では、子供たちには知識・技能も入っていかない。子供たち同士の「対話」を遮り、教師がやたらに前に出る授業は、子供には何も残らない。


4 挙手・指名・発表スタイルを少なく

 アクティブ・ラーニングは、一斉授業スタイル(日本型)ではなく、子供一人一人が仲間と話し合い、協働的な作業を通して意欲的に学んでいく授業だ。極端な例だが、子供たちは遊びの中で挙手・指名・発表スタイルをとっているだろか。教師同士の会食の中で挙手・指名・発表スタイルがあるだろうか。いずれも自然体の中で行われていることなので挙手・指名・発表スタイルは、そこにはないないと思う。授業もそうでありたい。

 教師が挙手を求める方法は、分かる子だけで授業が進む。これまでこうした授業スタイルをとってこなかっただろうか。学校は子供たち全員のためにある。教師からの挙手・指名・発表を少なくして、自然体で子供たちの口から言葉が出るように心がけたい。それには、出来るだけ教師ではなく子供の教科リーダーが進める授業がよいと思う。


5 教師は黒板の前から離れる 

 ZOOMで授業を見ていると教師が黒板の前から離れない様子が映る。一時であればよいが、最後まで黒板の前から離れないでは、教師主体型の授業となる。最近、学校に依頼したことで、授業者は最初の7分くらい、子供の席に席に座り、課題設定までを見守って欲しいと頼んだことがある。子供たちが授業準備をし、教科リーダーが中心となり、ペア学習を多くする中で課題設定までいくことをお願いしている。子供たちは教師を頼らないため、自分たちで授業を進めていこうとする。主体的な授業スタイルとなる。

 そのためには、教師が日ごろから学習過程スタンダードに真摯に取り組むことだ。授業研究の時だけ行っても子供たちには学び方が身につかない。いつまでも教師中心の授業が続くと思う。

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