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  • 執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.166(2021.7.26)「世界からアクティブ・ラーニングを学ぶⅡ」

PDF版(クリックで表示されます。)


 大阪教育大学大学院連合教職実践研究科教授の田村知子先生からの贈呈本を熟読しました。「原田信之(編著)カリキュラム・マネジメントと授業の質保証」(北大路書房)です。この本から日本の課題をいくつか感じ取りました。


シンガポール

 原文「2004年の建国式典でリー・シェロン首相が述べた言葉が、アクティブ・ラーニングの研究の出発点となったようだ。それは、「教えを少なく、学びを多く」の方針だ。暗記学習を減らし、彼らに探求や発見のゆとりを与える。また、教員もゆとりを得ることで考え、振り返り、子供たちに最善の方法を見つけ出して質の高い結果を導くことができる。私たちは子どもたちに教えることを少なくし、彼らがより学ぶようにしていかなければならない。」

・アクティブ・ラーニングと個別学習に関する研究プロジェクトを開始(2004年)

・魅力的で効果的な授業づくり研究を全小学校で実施(2005年)」以上、原文。


日本の授業の課題

 シンガポールは、日本より、17年前から教師主体の授業に問題を感じ、国レベルでアクティブ・ラーニングを行っている。日本とのこの差は大きい。私たちは、この17年間の差を埋めきれていない。いまだに昔と変わらない教師中心型の授業を続けているからだ。一人ひとりの教師に課題があるのではない。指導者層の考え方にも課題がある。

私はアクティブ・ラーニングをシンガポールから学んだわけではない。自校の教師全員の板書を見て、その違いに驚き、学習過程スタンダードを開発した。実践し手ごたえをつかんだ。だが、他校の指導者層から、「それは何、一斉学習が重要ではないですか?」と言われたことがある。いまだにアクティブ・ラーニングの良さに気付いていない。


理論より具体的な指導方法を学ぶ

 私たちは現場に立つ教師だ。学習指導要領が変わる時期には、多くの理論を学ぶ。だが、それが現場で形となって表せないのはなぜだろうか。理論と授業が結びついていないからだ。年間、何百本の授業を見るが、「どうしてだろう」「なぜできないのだろう」と思うこと時がある。その教師に責任はない。指導者層が学習指導要領の内容は理解しているが、いざ授業となると過去の自分の授業論を紹介するから遅々として授業改善には至っていない。

 学習指導要領の中に「見通し」という文言がある。最近気付いたことだが、「見通し」が理解できなくても、仲間とのアクティブな学び方の中で学んでいけば学習課題を解決できることを発見した。理論より、子どもたち同士の前向きな授業風土があればよい。授業を難しく考えてはならないのだ。


学習過程スタンダードを柔軟に使いこなす

 学習スタンダード(学習過程スタンダード)をただ真似ているだけでは上手くいかない。そうした事例を観て、学習スタンダードについての課題の指摘を受ける。だが、見守ってほしい。多くの経験を積み重ねていけば、必ず学習過程スタンダードを身に付けると思う。指摘者より授業が上達することも珍しいことではない。

 学習過程スタンダードには、学び方について細かく記述されている。初期に学ばれる方は、学習指導要領にある「問題解決的な学びの8段階をまずはやってみるとよい。全教科で試すことも重要だ。教科が変わっても問題解決方法は変わらないことに気付くはずだ。数回の学習過程スタンダードの経験を経て、第2段階の学習過程スタンダードの授業方法に入っていくことになる。このあたりになれば、上達は間違いない。


◎シンガポールの実践頃、私たちも時期を同じくしてアクティブ・ラーニングに行き着いた。なぜか同じであった。あとで気付いたことだが、アクティブ・ラーニングはアメリカ発のようだ。私たちは、アクティブ・ラーニングと言わず、「全員活躍型」の授業として実践を深めていった。徳川慶喜の「大政奉還」の気持ちと同じだった。どうか、「黒船が来た」という思いを持ち、新たな授業づくりにあたって欲しいと思う。

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