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  • 執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.176(2022.1.31)「夜明け前の授業」

PDF版(クリックで表示されます。)



 学習スタンダード(〇〇ベーシック)」をまだ取り組んでいないでいない学校の授業を見せていただいた。教師がぐいぐい引っ張る授業が多かった。これまでの教師主体の授業(教師がたくさん話す授業)が常識だったことからそうした授業となっていると思われる。

 教科書の内容を「教える」ことは容易で準備もいらない。教師にとって最初に取り組む学習スタンダードは、「面倒」なことかもしれない。だが、学習スタンダードの歩みを少しでも進めると必ず子供は授業の達人になる。まずは、次の11項目を振り返っていただきたい。



①授業の流れの見える化が出来ているか?

(授業が始まる前に1時間の流れのグッズが貼ってあるか?)

 教師主導の授業は、授業開始前の黒板に何も書いてない。教師が自分のリズムで進めるので書かなくてよいからだ。また、教師自身が板書方法を学んでこなかったことも考えられる。


*策 子供たちは板書に授業の流れが「見える化」(問題解決の流れが授業グッズとして貼ってある)されていると、いつどこで何をするかが分かる。子供たちが協働して学ぶ場面もわかる。学習スタンダードが浸透している学校は、どの学級の板書も流れが書いてある。授業備品136号を参考にしていただきたい。



②教師が授業を一人で仕切っていないか?

 子供を前面に出す授業(前学習指導要領は「子供が自ら学ぶ」)を行ってきたはずだが、教師中心の授業がまだ多い。そのため、子供たちは教師から話を「聞く」ことが多く受け身の授業となっている。学校から社会に出たら一人で諸問題を解決していかなければならない。


*策 そのためにも教師ではなく子供たちが主体的に授業を進めるとよい。教科リーダーを置くとよい。



③一部の子(挙手した子)と教師との対話で授業を進めていないか?

 私たちの授業スタイルは、教師が発問し、子供が挙手(分かる子)して発表する一斉授業スタイルが常識であった。今でもその授業がある。研究授業ともなると、子供の挙手があると教師は喜んで指名をする。その発言内容が良ければ、参観者も「すばらしい授業」と評価をする。 

 しかし考えてみよう。挙手が出来ない子供がいることを。分からない、発言ができない子もいるはずだ。そうした子への対応が出来ているだろうか。このことを解決するには、一部の子(挙手した子)と教師だけの対話であってはならない。


*策 挙手をしないで自然体で発言をする。全員が短冊に自分の意見を書きグループ内で発表をする。こうしたことを積み重ねよう。自然と一部の子の挙手・指名・発表が減るはずだ。



④子供がアクティブに動いているか?

 教師中心の授業は、子供が「聞く」ことが多い。内容が分かる子はよいが、分からない子にとっては身を置く場がない。やがては、別のことを考える。寝る子も出る。このことを「子供に課題がある」ととらえるような学校文化もあった。


*策 それには、「子供がアクティブに動く授業」に変えることだ。自力解決が出来なければ仲間に聞く。教える。ワールドカフェで仲間のホワイトボード等に自分の考えを書きに行く。授業でこうした子供の動きが考えられる。授業備品175号を参考にされ、子供がアクティブに動く場面を確立していただきたい。



⑤子供はノートに自分の考え(説明)をしっかり書いているか?

 子供がアクティブに動くこととノートは連動している。ノートは、今の自分の考えを書くことだけでなく未来(将来)の自分へのメッセ―を書いておくことになる。そのノートが充実するためには、これまでのノート指導を変える必要がある。


*策 板書を写して書く作業から、自分の考えをたくさん書く、説明書きのノートへ変えるとよい。「書きたくてたまらない子」を多くするには、学校全体で取り組むとよい。



⑥キーワード(教科用語)が飛び交う授業となっているか?

 教師と子供の対話で「単語」が飛び交う授業がある。教師は子供が単語でも言ってくれれば、すぐに飛びつく。発表出来ない子供は、その対話を聞いているだけとなる。だから授業内容が理解出来ない。


*策 教科内容が最初から「キーワード(教科用語)」を示してあると、どの子もスムーズに授業に入れる。そのためには、「教師からキーワードを示す」「子供同士でキ-ワードを作成する」「教科リーダーが作成する」「教師が子供の作成したキーワードを補う」等でキーワードを作成するとよい。



⑦目当てや課題とまとめの一貫性があるか?

 学習課題やめあてがあっても、最後のまとめとはつながっていない授業があった。そのため問題解決型授業では、話し合いや対話を重視するあまり、最後のまとめのところで課題の答えとつながらない授業があった。これは、「タイミング」と関係している。「課題やめあてを書いたときに、最後にまとめは書く」という常識があるからだ。


*策 課題やめあてを書いたら、すぐに板書「まとめの1行目(課題やめあての最初の1行目)」をしておけばよい。目当てや課題とまとめの一貫性が出来るはずだ。このことは、教師もそうだが子供たちが授業の流れとして覚えておけばよいことだ。



⑧学びに一定の「型」があるか?

 私たちが教師になったとき、「授業は教師が進めるものだ」という常識をもっていた。先輩からも授業の流れについて教わったことはない。そのため、教科書の内容を教師が「教える」ことに走り、子供に学び方を身に付けさせることは行ってこなかった。子供たちが進めるなど考えもしてこなかったし行ってこなかった。


*策 教師が授業の流れの一定の「型」をつかみ、子供たちもその方法を知ることにより学びの一定の「型」が出来る。学習スタンダードや授業ベーシックがその役割だ。だが、いつまでも「学習スタンダードや授業ベーシックの型」となっていては授業の進化はない。「進化型学習スタンダード」に発展するとよい。



⑨学習指導案書きに時間をかけすぎていないか?

 これまでの研究授業では、学習指導案の作成に時間を費やし、肝心の「授業の流し方やキーワードの作成」がおろそかになっていたことがあった。研究授業の前の夜遅くまで指導案を考えているのを幾度か見てきた。学習指導案を作成すれば、もう授業が成功するような気分になる。これでは授業技術は高まらない。


*策 学習指導案の形はたくさんある。「レ点型」「板書写真型」「従来型」「ピクトグラム型」等がある。大事なことは、学習指導案は7割の力で作成をするとよい。完全な学習指導案にはしないことだ。授業は翌日も同じようにしなくてはならない。また、何回も何回も研究授業を行い「ある一定の成功例」を積み重ねていくことが重要だ。



⑩教師だけの研究協議会となっていないか?

 研究授業を行えば、必ず教師だけの研究協議会(授業検証会)が行われる。教師間の自評、ワークショップ等が行われてきた。ある一定の成果はあった。しかし、このことを何度も積み重ねてきたが果たして授業力が向上しただろうか。教師間で結論付けたことが、子供たちに伝わっただろうか。これまで子供たちが次の授業をどうするかが抜けていたと思う。


*策 指導校では授業終了後、「子供研究協議会」を行っている。子供たちが自己反省した「成果」「課題」「改善策」「参観者の先生からの一言」などを項目にして行っている。子供が主体的な授業を創るためには、子供たち自身が授業評価をする。その際、単なる感想だけの授業評価で終わってはならない。授業備品138号129号等を参考に「子供側から見た授業の評価基準」を作成するとよい。



⑪授業が社会生活とつながっているか?

 これまでの授業は、学校や教室だけで完結していた。そのため、授業や教科書の内容が分かればよいという風土が学校に合った。子供たちの登校渋りもそのようなことが原因の一つかもしれない


*策 授業内容が分からなければ仲間に聞く。仲間に親切に教える。恥ずかしがらず分からないことは聞く。このことは社会生活と全く同じことだ。授業が社会と連動しているのだ。そのためにも学級力の向上も図るとよい。

授業が社会生活の流れの一つであることに気付いていただきたい。

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