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執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.188(2022.8.9)とにかく授業を変えよう

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 全国学力学習状況調査の結果が出た。訪問時に手ごたえのあった学校は、やはり良い結果が出た。「探究学習」の差であった。授業が変われば、結果はついてくる。とにかく授業を変えよう。

1 社会の変化に学校がついていけるか

 社会の変化が著しい。ところで社会の変化とは何だろう。私なりに解釈してみた。

1人口減少が続く日本

2デジタル化の加速

3仮想と現実の境目が分からなくなる

4コロナ化で生み出された新たな学校文化等であ ろう。  こうした社会の変化の中での生きる力は、①早くから自分のことを客観的に見る力 ②自分の課題を解決して いく力 ③異なる背景を持つ人と対話できる力 ④世界との競争に参加できる力等が考えられる。社会の変化に こうした力をつけることが日々の授業改革で求められていると思う。

2 授業の現実  社会の変化に対応した教育・授業が求められているが、いまだに教師主体で教科書の内容を教える授業を見る。 学習指導要領がいくら変わっても、基礎基本の習得をさせる授業が必要、授業規律が重要、教師が教えるのが授 業と思い込んでいて、なかなか授業を変えたがらない教師の授業だ。  なぜそうした思い込みの教師がいるのか、日本の授業がなぜ変わらないかと考えたとき、授業者や教育のこれ までの在り方に行き着いた。それは、教師側の論理で「教育をする」「授業をする」がとても強いことだ。誰し も、子供が主体的な授業が重要という。だが、教育や授業の主人公である、「子供」の側から授業論や考え方を 重視することが反映されていないと思う。  また、教科の見方・考え方の育成が重要と考え、それに特化した授業も見る。よく見ると子供主体の授業は、 どこかにいき、教師が目立つ授業となっている。授業で知識を豊富にする、進学に向けた授業が大事だというが 教育の究極の目標である「人づくり」は、そうした授業の中には見えない。

3 変わらない変われない教師  訪問校では、ベテラン教師も「授業スタンダード」を理解し、即座に具体的な方法を学ばれた方もいる。初め ていく訪問校では、ベテラン教師から、主体的な学びや対話的な学びの授業を行っているとの回答をいただく。 だが、よく見ると従来の日本型教育(教師主体・一斉指導・一問一答の授業・教師が没頭して身に付けた知識を 教えている)から抜けだせない授業を見る。  教師の発問や指示、説明の繰り返し、子供たちを受け身にさせたまま授業を主導しているかぎり、子供が主体 的な学びの実現は出来ない。また、従来型授業の方法の一つである「挙手・指名・発表」の手法で教師に向かっ て一部の子供だけ話す旧態依然とした授業形態では、根拠をもって話す、相手への確かな説明をする等、「対話 的な学び」や「協働的な学び」はほど遠い。子供同士が対話相手への受容や共感がない、安心して話せない、そ うした中で、子供同士の対話を求めても「対話的な学び」は成立しない。このことが子供の成長を止めている。 気付いているだろうか。とにかく授業を変えよう。そのためには、学習スタンダードを教師も子供も学ぶしかな い。

4 自立を促す学校

 人間以外の動植物は、親がわが子の自立の時期になると子供を突き放すという。これに習えば、私たち教師もおのずと「教える」から、「自立を促す」教育への転換が見えてくる。  授業や教育を難しく捉えてはならない。教師側から子供に知識や思考力を一方的に身に付けさせる授業は、人としての生き方は身につかないので、今次の学習指導要領の改訂が行われたと思う。進学を考え、学び、その時 には目的を成就しても、子ども自身に自立心がないと変化ある社会の中では生きていくことは難しい。それには、 学校を「子供の自立を促す学校」ととらえるとよい。そう考えれば、教師の授業観も変わり、教師自身の立つ位 置も変わってくると思う。

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