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  • 執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.201(2022.10.11)長沢中学校の実

更新日:2023年8月29日

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 長沢中学校の「実」が熟した。それは、生徒が教師を頼らず授業を創り出した「実」だ。最初に訪問をした時は、全生徒が授業に参加しているかが気になった。だが、先生たちの努力で「長沢スタンダード」が定着し、極めて短期間のうちに生徒主体の授業が出来上がった。この「実」は、やがて、生徒が生きていく上でさらに大きな「実」になっていくと思う。


授業の振り返り

 最初に訪問をして、これまでの各地の実践報告をさせていただいた。

「これまでの授業常識の間違いに気付いた。それは、教師側の論理で「教育をする」「授業をする」がとても強いことだ。誰しも、生徒が主体的な授業が重要という。だが、生徒側から授業論や考え方を重視することが反映されていないと思う。」この課題を一緒に考えて研究を進めましょうと提案をした。


研究を支えるスタッフ

 まず、日本型の授業を変えるための改善策をお伝えした。その上で、全国の学校、とりわけ高知県の学校のビデオをたくさん見ていただいた。全国の実践があるからこそ長沢中の授業改革も進んだと思う。だがそれだけではない。研究主任をはじめとする校内研修のスタッフの頑張りが授業改革につながったのは間違いない。

研究開始直後は、前向きに学習スタンダードに取り組む教師と、なかなかうまく取り入れられない教師に分かれるのが全国の学校の実態だ。長沢中は、この解決に取り組んだのが「研究主任とスタッフ」。私は、「長沢中方式」と名付けた。長沢中ならではの方法だ。それは、研究主任が、まず学習スタンダードを習得後、他の先生方に具体的な方法をお伝えしたようだ。高知県の研究会にも何度も出席し、最先端の授業方法を学ばれた。そこで学んだことを先生方に伝えたのがよかったと思う。だから、全教科の学習スタンダードの定着も早かった。


日本の授業常識へ

 長沢中学校のアクティブ・ラーニングの授業を観ると、今日も明日も同じ授業スタイルだと思う。そこには、光る言葉を発表する生徒と教師だけとの対話の授業はない。学習の進度差が大きい生徒にとって苦痛な一部の仲間と教師と話し合いを見ることもなくなった。

長沢中学校の授業は、活動している時間がたくさんあるのが素晴らしい。グループ学習も多くある。ワールドカフェもある。プレゼンテーションやディベートのような新たな授業の型もある。とにかくアクティブな活動やアウトプットの多い学習を行うと子供が活躍することが証明出来た。この長沢中の授業常識こそ日本の授業常識だと思う。


学校を創る教師に

 長沢中の若い先生から始まった授業改革が全先生の授業力の向上につながった。よく話しをする教師の口数も減った。それと比例して生徒が創る授業がだんだん増えてきた。長沢中では、それぞれの教師が自分流のやり方で授業をすることが減ったからだと思う。教師が自分流のやり方の授業をまず横に置き、学校全体で進める授業に向き合ったからだ。長沢中の先生の授業は、ほとんど同じような授業スタイルのため生徒たちへの指導の仕方も一貫している。だから生徒たちに同質の授業を展開することが出来ていると思う。

先生方は、長沢中に勤務をする時間は限られている。どうか、この長沢中で学んだことを横須賀市の学校に広めていただきたい。何よりも学校を創る教師になっていただきたい。


 研究を支える一人になったことは何よりも嬉しい。毎回、学校を訪問することが楽しみになったからだ。先生方や生徒に感謝し、これからも一緒に歩んでいきたいと思う。今後は、長沢中学校の実践を全国に広げるのが私の役割だ。「横須賀へ行こう、長沢中へ行こう」と呼びかけていきたい。


◎10月21日(金)横須賀市長沢中フロンティア研究発表会(3学年)研究授業13:30~14:20

2022年研究テーマ ~教科の特性を生かしたセルフ授業の追究~(京急YRP野比駅下車)

*中学校版のセルフ授業(生徒だけの授業)です。教師ではなく生徒の活躍をご覧ください。

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