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イエナプラン(オルタナティブ教育の一つ)として知られるイエナプランは、ドイツのイエナ大学の教授が始めた教育である。1960年代頃からオランダで広がった。独自の「20の原則」に基づいた教育がある。大きな特徴は、異年齢の集団で学ぶことだ。時間割は、「サークル(対話)・遊び・仕事(学習)・催しの4つを循環して組みたてる。個性を生かし、協働的に学ぶ。私立が多いが公立でも行われるようになった。
単線型の日本の教育に馴染むか馴染まないかを考えず、これまで学校教育が行われてきた。馴染まない子どもは、フリースクールという選択しかなかった。そこにイエナプランが登場した。
私自身のイエナプランそのものについての考えは、まだ固まっていないが、一斉授業がほぼないことに賛同する。また、「教えすぎの教師の指導がない」ことも共感する。アクティブ・ラーニング、イエナプラン教育等が入ってきて、日本の教育が変わることは確かだ。
イエナプランまでとはいかないが、勤務校でも「学びの交流」を行っていた。これは、縦割り班の遊びや清掃を行っていた自校で「子供の育ちにつながっているか」を疑問に思ったからだ。「価値ある縦割り班遊び」を見いだせなかった。そこで「縦割り班学び」を思いついた。
ねらい
従来の行事等での縦割り交流活動ではなく、学習の縦割り交流を行う。学年を超えた豊かな学び合いを目指す。異年齢集団の活動を通して、下学年の子供たちは上学年の先輩から知識や技能を学ぶ。上学年の子供たちは、下学年に教えることで自らの学習の習熟度を振り返ることが出来る。
成果
上学年の子は、教えることを通して自らの知識・技能を確かめることが出来た。下学年の子供は、マンツーマンで指導を受けるので特に技能の習得を図ることが出来た。授業での学び合いと異学年交流の学びが相乗効果を生み、学校の学力の向上につながった。
イエナプランに入る前に学校で出来ることはこうした活動をまずやってみることではないだろうか。すでに訪問校では、「ノート委員会」「セルフ授業大会」等が行われ、この学びの交流に近い活動が行われている。
同一学年同一指導、教師がしゃべりまくる教授型の授業を止めたいことも、この学びの交流につながったのは確かだ。ぜひ各学校でまずは、試していただきたい。なお、教育課程を特にいじることはしないのがコツだ。現行の教育課程の時間に、学年同士が合体する。準備や教材開発を特にしないことも留意点だ。
学びの交流活動
―学年を超えたかかわりが育む豊かな人間性―
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