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教師の特徴として「教えすぎ」がある。そして、教科書の内容を指導すれば、教師の役割が終わるという構図となる。教えすぎの授業の行き着くところは、子供の自立を阻害する。そのため、教師と一問一答になりやすい。そこには、「単語しか話さない子供」「授業内容を理解できない子供はおいていかれる」「子供の自立が遅れるため周囲と共に生きるという土壌が生まれない」「子供が広い世界に目を向けることが難しい」など負の面の子供の姿となる。
それを解決するには、子供に学び方を身に付けさせることだ。世界の学校がアクティブな学び方を進めているが中々日本の学校は従来型の授業から変わりきれない。その中でも今回は、解決方法として「考察」の在り方を考えていただきたい。授業備品198号とあわせて読んでいただきたい。
従来型の授業を続けていないか
どうしても「教えすぎ」の教師の授業は、理解してほしいという願いがあるのか、「考察」の場面で教師の言葉が多くでる。普段から子供自身が進める授業をしていないため、子供たちの言葉が中々出ない。だから教師のしゃべり過ぎとなる。この改革の本丸を「考察」に当ててみた。
構造化考察(中Gで各自の意見とキーワードを関連付ける)
通常は、班から全体考察に入り班の代表が発表する。これでは、子供一人一人が自力解決を行った意味がない。そこで、班を二つに合体をする。ここでは事実から出た意見を本時のキーワードと関連づけて課題解決のための構造化を行う。大きなホワイトボードやタブレットが中心となる。キーワードは板書と同じようにするために小さな「孫カード」を用意する。中Gの構造化こそが本時の中心となる。そこでまとめた考えを、小さな用紙に書き写す。その後、ワールドカフェに移る。各班を回り、それぞれの考えのよい所や質問箇所に、カラーマーカーで下線を引き囲みやコメント挿入。意見交流。わからなかったことを再度教え合う自由な時間にする。
情報考察(構造化考察で出た中Gの意見を黒板に掲示し学級で一本化を図る)
中Gの構造化考察で出た考え(中ぐらいの付箋紙)を黒板に掲示し、学習リーダ―が共通点や違う点をマーカーで線を引き違いを見つける。次に、「つまり」をつかって、学習課題の結論にいく。ここでは、「つぶやき」が主となる。この時間は、短時間となる。
これまでの考察は、深い学びを追求するあまり、教師と子供との対話となりやすい。教師のここまでしゃべるのかを思わせるような光景となる。構造化考察や情報考察では、全体考察がこれに変わるので「挙手・指名・発表」が崩れる。子供たちが構造化考察や情報考察で課題を追求していくことがアクティブ・ラーニングの学びにつながることになる。
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