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執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.213(2023.2.1)義務教育ワーキンググループ第4回資料(文部科学省)の原文R5.1.24から

更新日:2023年8月29日

PDF版(クリックで表示されます。)


 論点整理に向けた総括的議論についての議論が行われている。ワーキンググループの原文を紹介する。


1.義務教育では、学び方こそしっかり身に付けさせることが重要

「教師は自分が知識を伝達するということを自分の存在価値のように思いがちだが、これからの授業はそうではないということを管理職が明確に理解し、リーダーシップを発揮していくことが重要。GIGA スクール構想の推進においても同様だが、新しい時代の学びについてのビジョンが持てていないと、取組も進まない。学校現場や教育委員会の支援のためにも、これからの授業はどうあるべきかという議論や具体的なイメージを明確に国が提示していかなければならない時期にあるのではないか。」


2.主体的な学びの必要性

「教師からの一方通行の授業で教えるという授業観に留まることなく、児童生徒が 主体的に学びを選択し、自立した学習者になることを目指した授業観が重要であり、授業方法、教科書、教材の使用方法、教育課程、授業時数の在り方等を検討していく必要があるのではないか。」


3.一斉学習ではなく

「全ての子供たちに同じことを一斉に求めるのではなく、子供の特性に応じた必要な支援がある学校や教室であるべき。学びの中で、相互の弱さやがんばりというものを承認し、誰かが助けてくれるという信頼感のある学級づくり、教室の中の支持的風土の醸成によって、相互作用のある学びや思考の深まりが可能となる。」


4.個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通じた主体的・対話的で深い学びの具体化

「・授業や単元を通じて、何を目指すのか、子供たち自身が見通しを持てていること。

・授業の中で、子供自身が選択することができる機会が準備されていること(何を学ぶか、どのように学ぶか(個か協働か)、どのような進め方で学ぶか、どのようなペースで学ぶか等)。

・苦手なところやわからないことがあった場合、自分のタイミングで、繰り返し体験し直したり、学んだり、他者の学習を参照できたりする機会が準備されていること。

・ICT を活用したスモールステップでの振り返りの機会が準備されており、子供自身が自らの状況を把握するとともに、教師が全ての子供の状況を把握できること。

教師の役割が、ティーチャーからファシリテーターへと変革し、子供に学びを委ねつつ、 ICT の活用等により、助けを必要としている子供を随時見つけ、支援することができること。」


5.日本型学校教育の弱み、または弱くなってきている点

「・全ての子供たちに同じ期待をし一斉一律に処遇しすぎた結果、画一的で同調圧力を高めるものになった。

・全人的な見取りを重視する姿勢が重要である一方で、教師の多忙化にもつながっていること。

・例えば、学校行事の在り方が形式的な取組に留まるなど、不十分となってきていること。」


6. 義務教育の意義にかかわる上での教師の課題

「学校での学びの先にある 10 年、20 年後 の社会に子供たちが出ていくということを意識した教育を行うことが重要である。このことがどれだけ教師の中に浸透しているのか、過去の成功体験にひきずられ、これまでの価 値観から脱却できていないのではないか。」


7.子供たちの可能性を引き出す学びの実現

「全ての子供たちが同じであるべきと、学校、社会、保護者、子供が思い込んでしまっているのではないか。子供の発達が多様で、自己実現のありようも多様である現在においては、過度な同等同質神話から抜け出せるかが重要である。「できないことをできるようにする」という考えではなく、一人一人の「よさを徹底して伸ばす」という考えの優先度を上げていくことが必要ではないか。」


8. 学校として上記の取組を進めるに当たっては、以下の点が重要

「取組を進めるにあたり、教師同士の情報共有や、互いに授業を参観し合うなど、連携・協働があること。その際、推進の核となる教員がいるとともに、ベテラン教員も取組に参加すること。」

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