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執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.216(2023.3.4)学習スタンダードの誕生

更新日:2023年8月29日

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「学習スタンダードの誕生」 ~令和5年3月発刊予定巻頭言〜


日本新たな学び方研究開発ネットワーク 会長 西留 安雄


 学校や教育委員会を訪問し、気づいたことや改善策をまとめた。それを「授業備品」と名付けた。訪問後、即、改善策をまとめたいので、ある時は飛行機、また駅構内等でパソコンに向かう自分がいた。書き始めて8年。215号まで続いている。

 本書は、全国の学校や教育委員会の指導の際にまとめたブログ「授業備品」を元に加筆補正を加えてまとめたものである。各項目の末尾に「授業備品」の所収を記してあるので、「西留安雄の教育実践」のブログも参照していただきたい。

 私が全国を訪問するようになった背景には、東京都東村山市立大岱小学校時代の学校改革の成功体験があったからだ。校務改革と授業改善の両面から学校改革を行った。それが結果的に良かった。授業による子どもの成長を促すことが出来たからだ。

 当時は、教師の個人芸的な授業をよしとする時代であった。多くの専門家の講師を入れても、その教科の授業論が先行し、全教師には響かなかった。とりわけ、同一学年の教科でも教師により、授業展開の方法が異なることが多かった。そこで、ある日の6時間目の授業後の板書は消さないことを伝えた。全教師で、その板書を見て回り、指導方法が大きく異なることに気づかせた。また、同じ指導方法をとることの重要性を感じとらせた。学び方の指導方法を統一するための教師の受け止め方はよかった。教科横断的に指導方法をとることの必要性も教師から自然と出てきた。

 その時の財産が「学習スタンダード」だ。開発に当たって重視したことは、子どもたちが読んでもよく分かる資料、理論よりも具体的な学び方が書いてある資料にしたことだ。全学級で学習スタンダードの授業が行われるようになり子どもたちの授業へ向かう姿勢は変わった。とりわけ目が輝き始めた。これまでの授業常識を変え、分からなければすぐに仲間に聞きに行く。座学より「動く学び」が出来るようになったからだ。

 自校で開発した「学習スタンダード」を全国に持参した結果、各地でも行われるようになった。教師中心ではなく、子ども達が主体的に授業を進める学びは、全国の学校課題を解決した事にもつながったのは確かだ。

 全国の学校や教育委員会の先生たちがいたから今の自分がいる。そう思えることは、とても幸せなことだ。だが、今になって気づく。かけがえのない方との出会いであった、と。もっと伝えるべき言葉があった、と。本書は、その際、お話し出来なかったことを補ってくれると思う。どうか、本書を参考にして、新たな学び方を開発していただきたい。

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