top of page
  • 執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.228(2023.6.17)異学年交流授業・学びの交流・イエナプラン

更新日:2023年8月29日

PDF版(クリックで表示されます。)


 子供たちは生活の中に「教え教えられ」がある。年齢を超えて学び遊ぶ。部活動はその一例だ。だが、教師文化の中に異年齢子供の学び合いの考えはない。不思議なことだ。

私たちは、「同一学年同一指導の教育課程」を貫いてきた。だが、複式の授業を見たとき、それでよいか疑問をもった。上学年と下学年が同じ部屋にいて、それぞれが個別に学習をする。問題は、「わたり」として、教師が歩き、そこから授業が進む。先生が来ないと何も始まらない。これでは、主体的に学ぶ力はつかない。

幸い実践校の子供や教師は「学習スタンダード」を身につているので何ら単式の学級と変わらない。

 考えてみよう。学校は、異学年の子供たちが同居している。この財産を使わない手はない。先輩から教えてもらえる、同じテーマで異学年同士の学び合える良さが身近にある。オランダの異学年交流の学び(異学年をグループにした個別最適な授業)の例があるが、ダイナミックに授業を変えるため新たな学び方を開発しよう。


〇学習課題はちがうが「教えに行く佐喜浜スタイル」

~佐喜浜レインボーラーニング(SRM)~

 完全複式の学校である。その佐喜浜小学校へ同じ教室内の上学年の子が下学年に教えに行く授業を依頼した。昨年学んだ6年生が、「見通し」の段階を5年生に教えに行く姿があった。ごく自然にそれも得意そうに教える6年生は頼もしかった。教師ではなく先輩から学ぶ下学年の子供たちも喜んでいた。

 子供たちは、狭いコミュニティに陥りやすい。だが、この逆境を良いほうに変えられると確信をした。これまでの異学年で算数や国語の教科を学ぶことはなかったが、今回の「佐喜浜スタイル」数は、子供同士の教え教えられる関係であったため教科の専門性も十分に身につけたと思う。

 日本の新たな学びの方を開発されたと思う。人同士の絆を感じた佐喜浜スタイルは、学年により学習課題は異なるので個々に進めていく学習ではない。子供たちが「佐喜浜小はいいな」と感じて欲しいという教職員の願いがこの実践にはあった。上学年が下学年にすぐに教えに行く。どの学校でもすぐにできることだ。









学習課題は違うが学び合いの中で交流(イエナプランでの型学びの交流)

 最近、個別最適な学びといわれる。異なる3学年の子供が生活班を組み、それぞれ個々の教育課程を進めていく方法だ。この制度は学校の教育課程が個々の子供たちに任されているので、それぞれが自学学習すればよい。だが、身近な異学年同士で交流をしているのが特徴でもある。

 高知県の複式学級で見たのは、学年が違うので学習課題は異なる学習だ。最初から交流する場面が2か所、設定してあった。「班やゼミナール」「ワールドカフェ」の学び合いの学習段階の中だ。異学年で自然に聞き合えることができているので、異学年が一緒にいないのではないかとさえ思った。たとえ学習の流れは学年が違っても同じ空間にいたら一緒に学ぶことができる。通常の学級でもできると思うし、実践していただきたい。


共通学習課題による異学年年交流版長沢中型イエナプラン

 個別最適な学びとは違うが、長沢中版のイエナプランは、学習課題が異学年でも同じであったことだ。

 中2中3生が体育館で数学の学習を行った。中3は復習的に、中2は発展的に学習課題を設定すると、共通した学習課題ができる。当日は、中3が中2に真剣に数学のコーチをしていた。自分たちも行わなければならないが「教える」ことが先行したことは良かった。異学年でチームを組む班もあり、まるで「部活動」を見ているような学習風景であった。学校力、授業力、生徒の自学力が著しく向上した学校だ。一度は訪ねたい。











◎「主体的」とは、だれのことをいうのだろう。これまでの「自ら学ぶ」が重要と言われてきたので一人のことなのだろう。今次の学習指導要領では、「アクティブ・ラーニング」が出てきた。これは、全員活躍型・みんな活躍型が関係をしていると思う。だが、学びは、同学年の中だけで終わらないはずだ。学校は、異学年の子供たちが登校して来る。複式学級には2学年の子供たちが入室している。個別最適な学習が前面に出てくるので、異学年交流授業を実践する日はそう遠くない時期が来ると思う。校内の異学年の学びで主教科を学ぶことは必須だと思う。私たち教師は、忘れてきた「忘れ物」を取りに行こう。新たな学び方を開発しよう。

閲覧数:120回0件のコメント

Comments


bottom of page