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主体的・対話的で深い学びは、「動く、楽しく、考える」ことであると提案してきた。子供がこの学びを主体的に取り組むためには、「学習リーダー」が中心となる。学びの推進者である子供たちが楽しく動き考える学習は、教師ではなく子供が推進役となる。その中心が、「学習リーダー」だ。
学習リーダーは、単に「言語活動」の充実のための役割ではない。子供自身が学習の主体者としての意識をもち、仲間と協力して学習を進めるようにすることが役割である。
1 子供が授業を創る
「教材研究」「授業準備」等は、教師用語である。そこには、教師の多忙感が常にクローズアップされてきた。だが、子供が授業を創ることから考えると、教材研究や授業準備も学習リーダーの役割の一つになる。教師の多忙感さえなくなるはずだ。教師主体の授業意識を変えるためにも、子供が授業を創る方法に転換したい。教師は、学習の支援者に徹すればいいのだ。
2 学習リーダーの役割
これまで教師が行ってきたことを整理すると、全部の仕事が教師の仕事ではないことに気付く。ここに注目をすると学習リーダーは、授業前に教材研究や授業準備をする役割があることに気付く。また、授業中は学習の進行、授業後は子供研究協議会の進行等がある。単に司会・進行が上手になるためだけではない。セルフ授業のように授業全体を見通して運営をする。仲間が「楽しい、もっとやってみたいというような学習」にする役割がある。
(1)授業前に行うこと(これまでの教師の教材研究と重なる)
①つけるべき力の確認(学習指導要領を見る)
②学習課題の事前学習(教師から指示を受ける)
③指導計画(単元計画)の掲示の確認(常時、掲示板に掲示してあるかを確認)
④異学年との教材の配置確認(複式学級用だが全校学習時にも確認する)
⑤キーワード(教科用語)の洗い出し(教科書を見て中心教科用語を教師と洗い出す)
⑥専門的知識を持つ仲間との打ち合わせ(授業の中で教科の専門的な資質を持つ仲間の出番時の内容を確認)
⑦ヒント出しの内容の検討(教師の説明ではなく、ヒント出しを出すための内容や方法の考案)
⑧板書計画(教師との打ち合わせ)
⑨学習内容の予習(教科書等の通読)
(2)授業中・授業後
①全体司会(問題解決的な学習段階)
②板書(授業直前の板書と授業中の板書)
③ヒント出し(数学ではヒント出し)
④分からない仲間や発表する班の抽出(仲間の習熟度の把握と発表する班の抽出)
⑤課題の作成(仲間や教師の提案を受け課題を作成する)
⑥キーワード(教科用語)作成(授業の初めにキーワードを短冊に集約)
⑦専門的資質を持つ仲間の出番の設定(教師が行いがちだが、出来るだけ学習リーダーが行う)
⑧話し合ったことの集約(考えを一つに集約(協議)、話し合うために深める(討論))
⑨まとめや振り返りを集約(全体でまとめるのではなく、個々でまとめる)
⑧子供研究協議会の進行(自己評価や相互評価を行う)
3 学習リーダーの当番
司会・進行は、学級の子供全員が輪番で行う。学習リーダーは、仲間の同士の言語活動を活発に行うようにする。何日かに一回、教科によっては毎日、話し合い活動の中心に身を置く。小学校の1年生は、日直が当番になり司会・進行を行う。中・高学年になるにしたがって、教科担当の子供が司会を務める。これは、学習の見通しや流れ、振り返りの仕方等が分かっていて工夫も出来るからだ。
4 司会進行表
子供自身が学習の進行方法を理解し、自分たち自身で進行していけるようになることが重要だ。どの子も司会・進行が出来るように、「司会進行表」を作成する必要がある。これは当初だけで、慣れてくると必要ではなくなる。司会を数多く重ねることで、学習内容を理解するだけでなく、学び方を知ることにもつながる。この学び方は、教師にも通じる。教師の異動があっても授業づくりのための具体的な方法としてお互いに共有できると思う。
2005年大岱小卒の宍戸と申します。
たまたまこのページを見つけ、お元気そうなご活躍を見れて嬉しく思い、コメントさせて頂きます。
最初は教頭先生、最後に校長先生として戻られたのを覚えております。
益々の御活躍、お祈りしております。