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こんなに嬉しいことはなかった。中学生の最高の授業を見せていただいて、これが「授業」と確信した。日本のこれからの授業のあるべき姿を感じた。もう、大人が考える授業ではなく生徒自身が運営する授業に私たちは舵を切ろう。難しい教育用語を並べるのではなく、単に生徒が主体的な授業づくりに手を貸すだけにしよう。そっと授業を見守ろう。長沢中の生徒に感謝、先生方に感謝。このレポートをご覧になった方は、「いざ横須賀」!
1 生徒の手作りに道徳授業
(1)生徒の作成物
①歓迎のポスター ②授業案内ポスター ③歓迎の生徒の言葉 ④長沢スタンダード(スマートレッスン支援案(生徒が創った学習指導案) ⑤長沢中スマートレッスンって何(授業の板書や特徴) ⑥道徳の授業の教材づくり ⑦授業のワークシート
(2)教師の作成物
①学習指導略案 ②学習リーダー司会原稿 ③道徳実行委員・道徳係・4人班長へ(教師からのメッセージ)
教科リーダー「授業をするこれまでの経緯をこの二人が紹介します。ぜひ聞いてください」
(3) 歓迎の生徒の言葉(小学生、各県から参観に来た先生方への歓迎のメッセージ)
「研究授業って誰のためのものでしょう。勿論、先生方のためでもあると思います。でも、勝手に研究されることは、私はすごく嫌です。小学生の頃、何でこんなことやんなくてはならないんだとずっと思っていました。だから今の長沢中のように、私たち生徒自身のためにもなる研究授業の方がよいと思います。
今回は生徒が創る授業です。自分たちで話し合うところをどうぞご覧ください。いつも実行委員が中心になり動いていますが、今回は班長、道徳係もファシリテーターの役割をします。これまで班長やリーダーとしての動き方の打ち合わせをしてきました。通常は実行委員が中心となりやっていることを班長や道徳係も行うように計画しました。実行委員が見本を示し、班長が実際授業の中でも動ける練習をしました。だから班長も自分毎のように伝えられるようになっています。道徳委員だけでなく実行委員も班長も動く力をつけています。
実際、自分もスマートレッスン(教師がいるセルフ授業)をして、①周りを見る力 ②相手の意見を取り入れる力など受け入れる力が身に付きました。それにこんな考え方もあるんだということも知りました。Aさんはどうですか。
A「私の考えるスマートレッスンのメリットとしては、先生方がいない分、自分たちで課題や問いの解決が出来ます。ですがデメリットもあります。先生たちがいない分、自分たちで進めることはとても大変なことです。小学生の頃は、先生たちが授業を進めてくれたので考えようとしませんでした。今は、授業を進めることは、とても大変なことだと実感をしましたが満足感もあります。」
またまた突然ですが、今日、各県からいらっしゃった先生たちは学習や学びとはどのようなこととお考えでしょうか。私はこれまで学習とは、受験のため知識を身に付けるためのものと思っていました。勿論、今まで通り先生に教えてもらえるような授業をやってもらいたいという人や、Aさんのように自分たちで授業を回すのは大変だなあと思う人もいると思います。ですが、実行委員としてやってみて気付いたこと、Aさんのように自分で意見を考え考察するのが楽しいということ等でこれこそ学びであると考えるようになりました。
勿論、知識としての学びや、受験や夢、仕事につくために必要な学びもあります。ですが、それ以外にも大切な学びというものがあると思います。この学び「スマートレッスン(先生のいるセルフ授業)」で身に付けることが出来ます。これを身に付ける人は実行委員、道徳係、班長、班員の全員です。こうしてクラス全員に広がっていくと、みんなが学ぶことの大切や楽しさに気付いて動けるようになれば、よりよい学校づくりに必ずつながると考えます。
学力とは、勉強が出来るだけではない。学びとは何なのか、学びとは楽しいものと感じてもらえると嬉しいで
す。ありがとうございました。」

4 道徳の授業を参観して
生徒が教材を作成する、学習支援案(指導案)を書く、ワークシートを作成する、道徳実行委員・道徳係が綿密な打ち合わせを行う(教師の助言を受けながら)、中1と小6の合同授業案内ポスターの作成、これまでになかった授業モデルが生徒の活躍で出来た。授業論に生徒を巻き込むことが当たり前のように行われていた。私たちは、「教師が学習指導案を書く」、これを当たり前にしてきたが、今回の実践で考え直さなければならないと感じた。中1の自信にあふれた授業は、私たち教師に大きな宿題(授業の在り方)を与えた。皆さんで考えていただきたい。
*ビデオがあります。必要な方は西留までご連絡ください。今後の研究の指針になります。
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