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・確認(グループ)を主体にした授業で全員参加型の授業を展開する。常に話し合いがあり、理解が可能。 ・1教科だけに留まらず、確認の学び合いを全教科で行う。 ・教師対生徒の1対1(理解力が難し子が出る)を少なく。一斉授業、挙手等では、主体的な子は出ない。 ・教科リーダーの確かな指示で仲間が動く(学級活動的な授業)。教師より子供同士の学び合いが力が付く。 |
体育科の授業であった。感動した授業をこの紙面で網羅は出来ないが、この授業が他教科でも活かせることをご紹介した。体育科であるので、「動く」(アクティブ・ラーニング)ことは最初から出来ている。ただ、感じたのは、①教科リーダーが授業を創っている ②得意な生徒だけの場ではない ③挙手を求めないので教師対生徒の構図にはなっていない等の良さが光ったことだ。自分の授業でも活かせることをご紹介するので、試していただきたい。学び方は、全教科横断的な所で身に付く。教師が自分の教科指導だけにこだわってはならない。
①「確認」を中心にした話し合い
個人対教師ではない場面が随所に見られた私たちの授業は、一斉授業を多く経
験し、生徒に「挙手、指名、発表」を求めていた。何ら疑問を持たなかったが、
「分かる子対教師」の構図となっていた。学習に向かわない生徒はどこかにおい
ていた。「がまん」の時間となっていた。本時では、「確認」を多くする時間であ
ったので、「ちょこっと話しあい」がたくさんあり、全員が自分事になっていた。
「確認作業」で進めていく授業は、すぐに他教科でもすぐに取り入れられる。
②グループ学習が中心とした学び合い
今回の体育の授業には、個人で考える時間はほとんどなく、グループで話し合
う場面が十数回あった。個の技術力の違いが分かりやすい体育科では、グループ
学習の授業が最適であると感じた。ある高等学校では、学力の差が大きいため、
全教科でグループ学習を取り入れている。それも最初からである。机も孤立型の
並び(多くの学校)から、班ですぐに話し合いが出来るように最初から最後まで
机の位置は変わらない。今回の体育科は、すぐに班に集まる方式をとっていた。
生徒の楽しい声がたくさん聞かれた。体育科だからではなく全教科の学び合いにつながる学び合いとなるだろう。
③学習リーダーの的確な指示
中高等学校の部活動には、必ず、キャプテンがいる。かつてのキャプテンは、
教師の指示を下請けする形で全員に伝えていた。これが変わってきている。現在
は、練習計画も任され、自主的な練習をとっているチームが多い。キャプテンがそ
の中心にいる。ここに学ぼう。
本授業でも、3~4人の学習リーダーがいて、次は何をするかの的確な指示を出し
ていた。おそらく、前日までに学習リーダーと教師の打ち合わせを行っていたと思
われる。それを基に学習リーダー同士で話し合い、当日を迎えられた。訪問校では、
この学習リーダーが全教科に配置されているため、教師との話し合いをよく見る。授業の資料やワークシートもリーダーが作成している。ある教師が言った、「明日は休むから、あなたに任せるね」ということがよく分かる。教師は、支援にひたすら回ることがコツだ。
④教師の的確な指導計画
生徒が「教材開発」をしてくる学校もある。だが、指導計画は、異学年との関係があるので作成するまでには至っていない。ここは教師の腕の発揮場所だ。教科書の指導計画を見るだけでなく、学習課題作成につながるような指導計画としたい。付けるべき力を確認後、学習指導要領の趣旨を見て自校の子供の実態に合わせて指導計画を立てるとよい。
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