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多くの教師が、「主体的・対話的な学びは既に行っている」と言う。だが、実際の授業を観れば、「教師主体の授業」。ある若手教師から、「私の学校でも教科にこだわる教師や管理職が多くいます。自己紹介をすれば、私は国語が専門、社会が専門です。というような自己紹介がよくあります。」と。
教科教育の授業をよく観察すると、一斉学習の中で「分かる子と教師の見せ場」が続く。「すばらしい」と周囲が賛同する。その経験値があるため、自分の授業形態を変えられない。それが、子どもたちに影響し、パフォーマンスが弱い。「教える」より「学び方」に比重を置くことの重要性に気付いていない。
「主体的・対話的で深い学び」は、子どもたちに「学び方」が備わってこそ可能だ。校内研究自体が「見方・考え方」の教科教育に特化し、肝心の「学び方」に行き着いていない。「学び方」の校内研修にするための現状分析と対応策を考えて見た。さて、自校はどの学校に該当するだろうか。自校をよく分析し、「学び方」の校内研修となるような対策のヒントを提案したい。夏のセミナーの若者の声を聞き、応援の意味でまとめてみた。
1 「学び方」を研究する・これから始める学校の実態
2 対応策
A校型の授業改革が完結している学校
①より高いレベルの新しい学習スタンダードの開発
②全教師が学習スタンダードを語れる
③外部への研究成果の発表
④新学習指導要領の情報取得と先行取り入れ
⑤人事異動への対応
B校型の、全体が授業改革に向かっているので反対者がいても研究を進行する
①理解のない教師の授業観察を行い、教師主導の授業であることを伝え授業改善を促す
②先進校の研究開発に学ぶ
③校長がリーダーシップをし、進化型、未来型のスタンダードを取り入れる
C校型の、「管理職の理解」があるので、取り組む教師を増やしていく
①若手教師から学習スタンダードを取り入れる
②先進校の授業を観て学ぶ
③校内で他校の研究についての意見交流
④「全国ネット研究会」への参加
⑤先進校のCDを子どもと教師が観て学ぶ
D校型の、学校経営方針を示す中で、まずは学習スタンダード(学び方)を「知る」ことから始める
①学習スタンダードの手引書を作成する
②全教科のCDを集め、校内で子どもと教師の共有化を図る
③学校経営方針を複数回書き直し、「学び方」について何回も教師に提示して実践する
E校型の、全体的な合意があるので、子どもたちに学び方を指導する
①子どもたちを学習スタンダード名人に育てる
②保護者会でスタンダードの説明と理解を得る
③多くの職員で学校全体に説明する
④賛同者の意見を共同して貫く
F校型の、全体的な合意がないので、一人でも授業改革を行い、仲間を増やす
①一人であってもこつこつと学習スタンダードを続ける
②スタンダードの発表会、全国ネットの会に参加する
③仲間を増やせるように働きかける
G校型の、学校全体が取り組まないので、個人を育てていく
①スタンダードの研究校が積極的研究会を開催し、仲間の学校を増やす
②少数の共通の考えをもつ教師に働きかける
③若手教師を中心にスタンダード授業に取り組む
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