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執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.265(2024.11.24)「考察(学び合い)やまとめは子どもの手で」~脱一斉学習方法~

PDF版(クリックで表示されます。)

子どもにできることは子どもに任せる。子どもが協働すれば、ほとんどのことが出来る。

 いくつかの授業を観て、一斉授業型で「教師自ら考察をしてまとめる」場面を見た。一斉授業型の授業を変えるため文科省の施策が次々と出ているが、いまだに、塾や予備校型と同じく教師がしゃべりまくり、授業を引っ張っていく姿を見る。授業とは何かの原点に立ち返ろう。


 一斉授業型は、「学習が分からない子ども」にとって、まさしくどこに身を置いたらよいか分からなくなる。

 和歌山のF先生は、「教師が進める授業での説明は、子どもの居眠りを誘発する」「発問に答えさせる授業は、子どもと子どものつながりを切り教室から豊かな表情を消す」と述べられた。この子どもの豊かな表情を消すことに、私たちは一斉授業の弊害で気付いた。アクティブ・ラーニングは、従来の授業の考え方・進め方を変えるために出てきた。私たちは、学習リーダーを中心に「子どもが学習方法を決めて行う授業」を実践してきた。


 今回は、自分たち(教師は関わらない)で考察をして意見を集約する方法をお伝えしたい。私たちが行っている考察方法は、マーケティング・ディスカッション(MD法)やワールドカフェに由来している。6段階の順序で問題解決を試みるグループ学習法である。この手法のメリットは、自分たちで学習を成立させることだ。すなわち、説明する立場と情報を集める双方に責任があるので、一人ひとりの学ぶ意識が向上する。子ども主体の学びが自然と可能となる。


 この手法の前に、課題とまとめの関係について述べる。教師がまとめを行わないために、課題を書いたら即座にまとめの1行目を書くようにする。これを行わないと、まとめが教師の考えを出す場となるので課題を書いた時にすぐに書く。子どもが自分の考えでまとめる。教師のまとめを写さない。キーワードを入れ書く。


考察を行う順序(手順)

①グループごとに話し合い、それぞれが気づいた事実や意見をまとめる。

 MD法やワールドカフェを行う前に、それぞれが、教科書や資料の読み取り、観察や実験、個別の解決等を行う。それをグループで共有し、教科用語(キーワード)と関連付けてグループとしての考えを出す。

②グループでまとめた内容を、他のグループに分かりやすく説明するための準備を行う。

 まとめた内容を説明する準備する時間である。グループ全員で説明する内容等(グループで考察に行き着いた手順や内容について確認をする。説明内容のポイント)をホワイトボード上に記しておく。

③ワールドカフェを行うために、残って説明する人と他のグループから情報を取集してくる人を決める。

 ワールドカフェは、2ランウド行う。(情報収集の子どもと説明者の子ども)

④グループに残った説明者は、他のグループの情報収集者に自分たちのグループの考えを説明する。情報収集者は、自分たちのグループで発見できなかった情報を収集し質問をする。

 説明者は、①②の内容を基に他のグループの人に説明をする。



⑤情報収集で得た新情報をもとに、再度グループで検討しまとめる。

 話し合いにより、自分たちの考えの修正を行いまとめる。

⑥クラス全体で、各グループの考えを出し合い課題を解決する。

*この方法が多いが、グループ協議が充実していれば全体での考察は行わない。

 これを行うと教師の過剰な補足説明の場となる。できるだけ控える。


 この後、最終的な各自によるまとめと振り返りとなる。教師のまとめの板書(( )の虫食いまとめ))も行わない。教師が行うと子ども主体の学びとはならない。


 学習スタンダードは浸透したが、まとめと考察に教師が入り過ぎ、子どもたちの主体的な学びを阻んでいる様子が伺える。ぜひ、子どもたちに学びを任せていただきたい。


(故、藤井英之先生から学んだ内容)


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