授業備品 NO.276(2025.6.15)「中学校の授業改革」
- 西留安雄
- 6月24日
- 読了時間: 3分
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中学校の授業を見る機会があった。概ね、よい授業であったが、改善の余地があることに気付いた。教科書を教える、書いてあることだけを教師が主体的に解説していくような授業とならないように、何点かの改善点を指摘したい。
1 指導要領の構造化

私たちが学び方の行き着くところは、子どもが主体的な学びだ。子ども同士で対話を重ねながら、課題解決に向かって7通りの学び方で迫る。そのために、子どもたちが自分に最適な学び方で仲間と協働的に学ぶ。学習の個性化はその手段である。好きな仲間と協働的な方法で追究していく。指導の個別化は、指導者が徹底的に個別指導に入ることであろう。
2 中学校の授業改革6項目
(1)学習課題とまとめの整合性
学習課題を書いたら、すぐにまとめの1行目を書く。その際、「つまり」から書き始める。研究が浸透していない学校はこうした細かな所に気付いていない。それから「何を学ぶのか」につながる「めあて(課題)」を立てるとよい
①問いかけ型(学びに向う力)「なぜ〜だろうか(理由)」「どうすれば〜できるだろうか(方法)」、子どもたちには、この方法が課題解決を図りやすい。
②めあてや課題が子どもたちから出にくい時や時間がかかることが予想される場合は、リーダーや指導者が書いておく。
(2)キーワード(教科用語)中心の見通し3視点
見通しは、教科により方法が違うが、下記の3視点からいつも見通しを立てるとよい。
① 学習内容・この時間に何をするのか
②学習方法・どのように学ぶのか・答えの見通し(見つけ方)・解き方の見通し
③アイテム・その時間に使う図形等・その時間に使用する教材・教具等だが、中学校には、キーワードを最初から出し合う・出しておくことを推奨している。キーワード一つでも十分に見通しで通用するからだ。
(3)黒板の説明を少なく(一斉指導を減らす)
黒板をできるだけ使わない。従来からの教師主体の授業が続くからだ。教師が理解させようよう、させようとするとどうしても教師が黒板を占領し、解説型授業となる。大まかな授業グッズ(学習過程)を貼るだけで充分である。なお、学習リーダーや子どもたちが使うのは良い。教師主体になっていないかいつも自分に問う。
(4)考察方法は2案で
考察方法は、7通りあることを、備品260号で記した。これまでの、比較(共通点・相違点)・仲間分け・関連づけ・統合等の観点で整理することは間違いないが、時間がかかりすぎる。そこで、①班集合型、②ゼミナール形式の2案にするとよい。①班集合型は、文字通り、全員が班の近くに行き説明を聞く。いくつかの班の考えを聞き、自分の班の考えに活かす。②ゼミナール形式は、自分の考えを短冊やホワイトボードに書く。班員全員の短冊と構造化を図る。ワールドカフェを行った後さらに全員の創意の構造化を図る。
(5)自力解決にすぐに向かわない
分からない子どもに問題を解けと言っても難しい。そこで、自力解決にすぐには向かわないことだ。例えば、3人班で最初に相談→一人→6人班になり、ワールドカフェを行い、まとめ、振り返りに向かう。「相談して」がキーワードとなる。
(6)個別指導が教師の仕事
次期学習も「指導の個別化」を目指している。教師は、授業の進行は出来るだけ学習リーダーに任せ、徹底的に個別指導をする。タブレットであれば、生徒の進行状況も見えるはずだ。
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