top of page
  • 執筆者の写真西留安雄

未来リレー型学習スタンダード 第2章


MIRAI-SD2
.pdf
ダウンロード:PDF • 2.71MB

第2章 楽・動・考


1 教師が教え込む授業から全員活躍型授業への転換

(授業備品NO168)

 

(1) Q日本の教育課題は?(シュライヒャー (PISA調査統括 OECD顧問)

 ~一人ひとりの生徒が学びへのモチベーションを上げることだ。前より向上したが、他国よりまだ低い。~

Qそのための改善策は? 「授業を先生中心から、生徒中心に 変えることだ」 6/1 A新聞

 

(2) あなたは、どんな授業スタイル?(大阪府教育センターの資料を参照)


(3) 子供主体型の授業づくりと学び方(アクティブ・ラーニング)との関連

(授業備品116号)



(4) 学び方・学ぶ態度を日々の授業ではぐくむ(教科横断的な学び方の指導)


2 挙手、指名、発表を柔軟に。相談して自力解決

(授業備品NO223)

 これまでの授業は、教師からの指示による挙手、指名、発表が多かった。一斉授業からからくる形式が原因だと思う。この形式に何ら疑問を持たなかったが、考える時期がきたと思う。これは、次期学習指導要領で指摘されるであろう「学び方」を学ぶことが予想されるからだ。学び方を子供自身が習得するようになる。

 そこには、おそらく挙手、指名、発表のことは話題にはならないだろう。だが、挙手、指名、発表は、子供たちの学び方に大きく影響すると思う。これまでの授業では、教師が挙手を求め、分かる子が指名され発表する形式が多かった。私自身も、子供の挙手が多いことに満足していた。研究授業ともなると筋の通った数名の子供が発表すると、「よい授業」と評価をしていた。授業参観にもなると保護者が「手を挙げるんですよ」と我が子に求めた。これが日本の学校の常識だったと思う。今でもその常識に沿うような授業が多いと思う。

 だが、考えて欲しい。「挙手が出来ない子」はどうすればよいだろう。授業に参加できない子はどうすればよいだろうか。これまで「じっと耐えてきた」「人前で話すことは苦手だ」という子供はいるはずだ。学習スタンダードは、ワイトボードやゼミナール等の小集団での発表の場で、子供個々の意見を表明出来る機会を奨励してきた。子供全員活躍型の授業は出来たと思う。今後は、一律に「挙手、指名、発表」型の授業ではなく、「柔軟に話す、挙手をする授業」に変えたらどうだろうか。

 

(1) 班活動やゼミ形式の場では、あえて挙手をしない

 班活動は、小人数であるのであえて挙手はしない。「つぶやき」や「ささやき」を多くし、自由に話すようにする。「一言しか話せない」子供も話せると思う。要は、心が安らぐような小集団の場になればよい。

 その場合の「話し方」も工夫するとよい。少人数なのでかしこまった話し方が必要だろうか。学年の発達段階にもよるが、その学年に合わせた言葉を使わせるようにしたい。

 

(2) 全体の場でも挙手を柔軟に

 高知県の学校は、小規模の学校が多い。複式の学年もある。子供の数が多い学級では、全体の場で挙手をしての発表はよいと思うが、少人数の学年では挙手をしての発表に固執する必要はないと思う。これまでの学校が挙手を求めきたことが特殊な場であるからだ。そこを真似てはならない。

 東京の自校で経験をしたことだが、全体の場でも自由に話すことを奨励していた。ただ人数が多いので、話をしたい子が立って話すようにした。挙手は特にしなかったと授業もあったと思う。


(3) 「自力解決」を考える

 問題解決的な学習の一つの段階に「自力解決」がある。まずは、一人で考える。このことは、とても大事にしたいが、「自力解決が出来ない子」はどうすればよいだろう。この解決のヒントを高等学校に見出した。その学校では、数学が苦手な子が多いが、実に楽しそうに授業を創っていたことが印象に残っている。それは、「自力解決」に取りかかるときの様子に特徴があった。

 これまで私たちは、自力解決が出来るように、「見通し」を大事にしてきた。学習方法や内容、アイテムを中心に見通しを立てることを奨励してきた。見通しが立たない場合は、キーワード(教科用語)をヒントに自力解決を進めるように促してきた。このこと自体は、いいことだと。

 だが、考えて欲しい。現状は、解けるかどうかの挙手をしてもらい、解けない子の対策をしているが、本当の意味での自力解決につながってはいないと思う。授業は、子ども達同士の「人の集う場」なのだ。学校へ来る意味は、「分からないことを人に聞く場」なのだ。教師からの説明を聞く場だけではないはずだ。

 

(4) 仲間と相談して「自力解決」

 前述したが、高等学校の授業に学ぶとよい。まずは、「仲間と相談してから自力解決に入る」。相談してから自力解決の手順だ。問題解決の段階が硬直してはならない。階段には、階段をつなぐ手すりやすべり止めがある。それこそが「繋ぎ役」をする。繋ぐための「のりしろ」なのだ。その、のりしろが「仲間と話す」ことなのだ。子供たちは自然体で話し合い自力解決に入れば、安心して取り組めると思う。見通しも重要だが、仲間からの「一声」は、何にも勝る方法なのだ。普段から、「相談して自力へ」という形式をとってはどうであろうか。

 

3 教育用語を自校用語へ (授業備品NO232)

 これまで「主体的・対話的で深い学び」の言葉をどの学校でも掲げていることに特別な思いは持っていなかった。共感することが多かったからだ。学習指導要領の趣旨が込められていたからである。だが、学習スタンダードが進化するにしたがって、この「主体的・対話的で深い学び」の言葉について考えさせられるようになった。

 それは、子ども達が自分たちで授業を進行し、教師が支援者に徹する学習スタンダード進化型の授業が増えてきたからだ。子ども達が自然体で仲間と教え合いをしている。なんと子どもたちの顔がやわらかいことか。全員活躍型授業で誰一人おいていかない。温もりいっぱいの教室となっている。

 「学び方の研究開発ネットワーク」研究校においては、課題解決をただシャープに行うのではなく、子ども達同士が自然体で話し、穏やかな顔で助け合う授業が行われている。指導する教師も、教えるから信じて任せる授業への転換が出来てきた。学習スタンダードの学びが私も仲間も進化している。

 具体的な進化を考えたとき「教科用語」を自分なりに解釈することが重要であることに気付いた。「教育用語」は、どの学校も使っているが、具体的な成果が見えにくい。そこで、自校の子どもや教師が育つために、「教育用語」を「自校用語」に解釈することを提案したい。例えば何気なく「主体的」と使うのではなく、自校の研究の状態に合う言葉にしてみる。「自分たちで」「自主的に」「自分から行動し」「指示される前に」「おまんらで」「自ら」、こんな言葉で解釈するとよい。特に地産地消の論理で「教育用語」を「自校用語」に置き換えると地域での学校像が見えてくる。学習指導要領の趣旨が一層、浸透すると思う。

 学習指導要領改訂の度に新たな「教育用語」が出てくる。その言葉を消化しきれず、教える授業が続いていることを憂いてきた。そこで、私たち学校現場にいる者は、教育用語を自分の言葉で解釈してみる。仲間に説明するときは、できるだけ「教育用語」を避け、子どもにも分かるようなやさしい言葉で示すとよい。


ネーミングで売り上げが変わる!印象が変わる!行動が変わる! 佐喜浜小 竹村 和男

 5年前の夏でした。家では、帰省していた長男が試供品で家にあった肉で牛串を焼き始めました。そして、試食後に「お父さん、肉が固いねえ。でもお祭りだったら十分。固い肉だからおいしいという人たちも結構いる。骨付き鳥の親鳥みたいに。」「よし、お祭りでは、名前を変えよう。ステーキ串!これでいこう!」

 都会で飲食店を経営している息子のアドバイスですから、これを受け入れて、例年通りの仕入れ数で予約を受け付けることしました。するとどうでしょう。予約数が一挙に昨年度の2倍に!急きょ追加注文をすることにもなるほどの盛況でした「ネーミングの威力はすさまじい」そう実感した夏でした。

 さて、同じネーミングについて、この前、スタンダード授業のパイオニアの西留先生と語り合いました。西留先生から私に、「どうだろう。教育界で当たり前に使われてきた言葉を変えたいと思いませんか。」私は「なかなか大胆な発言ですね。何をどのように変えられますか?」と問い返しますと、西留先生は「私が思うに、教育用語のほとんどは、先生主導だと思うのです。例えば、学習指導案。指導ですよ。指導。違いますよね。学習の中心は子どもです。先生は支援に徹しなければなりません。」「では、学習活動支援案とかいかがでしょう。」「そうそう、そういう言葉ですよ。竹村校長先生、ちょっと教育用語の自校化、子ども主体化の案を考えてくれませんか。」「わかりました。」

 お祭りでの体験を持つ私ですから、ネーミングの重要性は身にしみてわかっています。そこで私は、今教師の世界で使われている教育用語の変更案を考えてみました。みなさんいかがでしょう。ちょっと教育のイメージが変わって見えませんか。佐喜浜小ではこれからこのような視点で、授業を見つめていきたい、そう思っています。改革はまずはネーミングから!ネーミングは本当に大事です。いっしょに考えてみましょう。

イメージを変えよう→校内で言い換える時  主体的・対話的で深い学び→全員活躍型学び 個別最適学習→学習形態の工夫 協働的な学習→みんなかつやく学習 学習指導案→学習活動支援案 授業研究会→授業支援検討会 セルフレッスン→スマートレッスン(長澤中学校で使われています)ワン・チームレッスン 自力解決→コンセントタイム、ぶつぶつタイム とも学び→友だちタイム ワールドカフェ→ぐるぐる学習・ワールドカフェ出張版、ブラブラタイム 教科用語→キーワード ティーチャー→ファシリテーター 考察→班学習・班考察、〇〇ゼミナール 解決活動→柔軟な解決活動          

(西留・竹村試案)


4 学習(教科)リーダーの育成  (授業備品NO246)

 主体的・対話的で深い学びは、「動く、楽しく、考える」ことであると提案してきた。子供がこの学びを主体的に取り組むためには、「学習リーダー」が中心となる。学びの推進者である子供たちが楽しく動き考える学習は、教師ではなく子供が推進役となる。その中心が、「学習リーダー」だ。

 学習リーダーは、単に「言語活動」の充実のための役割ではない。子供自身が学習の主体者としての意識をもち、仲間と協力して学習を進めるようにすることが役割である。

 

(1) 子供が授業を創る

 「教材研究」「授業準備」等は、教師用語である。そこには、教師の多忙感が常にクローズアップされてきた。だが、子供が授業を創ることから考えると、教材研究や授業準備も学習リーダーの役割の一つになる。教師の多忙感さえなくなるはずだ。教師主体の授業意識を変えるためにも、子供が授業を創る方法に転換したい。教師は、学習の支援者に徹すればいいのだ。

 

(2) 学習リーダーの役割

 これまで教師が行ってきたことを整理すると、全部の仕事が教師の仕事ではないことに気付く。ここに注目をすると学習リーダーは、授業前に教材研究や授業準備をする役割があることに気付く。また、授業中は学習の進行、授業後は子供研究協議会の進行等がある。単に司会・進行が上手になるためだけではない。セルフ授業のように授業全体を見通して運営をする。仲間が「楽しい、もっとやってみたいというような学習」にする役割がある。

(1)授業前に行うこと(これまでの教師の教材研究と重なる)

①つけるべき力の確認(学習指導要領を見る)

②学習課題の事前学習(教師から指示を受ける)

③指導計画(単元計画)の掲示の確認(常時、掲示板に掲示してあるかを確認)

④異学年との教材の配置確認(複式学級用だが全校学習時にも確認する)

⑤キーワード(教科用語)の洗い出し(教科書を見て中心教科用語を教師と洗い出す)

⑥専門的知識を持つ仲間との打ち合わせ(授業の中で教科の専門的な資質を持つ仲間の出番時の内容を確認)

⑦ヒント出しの内容の検討(教師の説明ではなく、ヒント出しを出すための内容や方法の考案)

⑧板書計画(教師との打ち合わせ)

⑨学習内容の予習(教科書等の通読)

(2)授業中・授業後

①全体司会(問題解決的な学習段階)

②板書(授業直前の板書と授業中の板書)

③ヒント出し(数学ではヒント出し)

④分からな仲間や発表する班の抽出(仲間の習熟度の把握と発表する班の抽出)

⑤課題の作成(仲間や教師の提案を受け課題を作成する)

⑥キーワード(教科用語)作成(授業の初めにキーワードを短冊に集約)

⑦専門的資質を持つ仲間の出番の設定(教師が行いがちだが、出来るだけ学習リーダーが行う)

⑧話し合ったことの集約(考えを一つに集約(協議)、話し合うために深める(討論))

⑨まとめや振り返りを集約(全体でまとめるのではなく、個々でまとめる)

子供研究協議会の進行(自己評価や相互評価を行う)

 

(3) 学習リーダーの当番

 司会・進行は、学級の子供全員が輪番で行う。学習リーダーは、仲間の同士の言語活動を活発に行うようにする。何日かに一回、教科によっては毎日、話し合い活動の中心に身を置く。小学校の1年生は、日直が当番になり司会・進行を行う。中・高学年になるにしたがって、教科担当の子供が司会を務める。これは、学習の見通しや流れ、振り返りの仕方等が分かっていて工夫も出来るからだ。

 

(4) 司会進行表

 子供自身が学習の進行方法を理解し、自分たち自身で進行していけるようになることが重要だ。どの子も司会・進行が出来るように、「司会進行表」を作成する必要がある。これは当初だけで、慣れてくると必要ではなくなる。司会を数多く重ねることで、学習内容を理解するだけでなく、学び方を知ることにもつながる。この学び方は、教師にも通じる。教師の異動があっても授業づくりのための具体的な方法としてお互いに共有できると思う。

 

5 楽しいと感じる授業の作り方  (授業備品NO243)

 授業とは、・・・。それなりの形式がある。だが、教師側に授業意識が強いと「教える」「指導をする」こととなる。本来の学びの姿を超えて、「一方的に教える」ことが多い。そのため、子供たちが活き活きとしている姿は、授業の中には現れない。つまり、子供たちが主体的に取り組む授業や学びの中で活き活きとした姿は自然と出てくる。あらためて、「主体的・対話的で深い学び」とは何かを子供たちの学習や学びの中で考えてみた。「主体的な学び」とは、教師を頼らず主体的にしく学ぶ。「対話的な学び」とは、いて交流をして学ぶ。「深い学び」とは、全員が自分なりのえをもち学ぶ。すなわち、しくきながらえていく学び方だ。



 



(1) しいとは

 今回は、「楽しい」について考えを述べる。楽しい時は楽しいと自覚をした時ではなく、無意識の中で感じるものだと思ってきた。しかし、学びの中では、相手意識があるので中で、「しい」が実感しやすい。それは、仲間との協働的な学びの時だ。大人から見ると、「子供が目を輝かせている時間」である。

 これまで教師が張り切っている行う授業をたくさん観た。そこには、教師の工夫がたくさんあり、「すごい」の声が多かった。しかし、子供全員が満足する授業ではなかった。分からない子がいたからだ。

 心と体全体の中から自然と出てくる「楽しさ」があってこそ、子どもはみんな楽しい時だと思う。こんな当たり前のことが普段の授業の中で毎日出るようにしたい。

 

(2) 楽しいが感じる学習過程

 子供たちが問題解決的な学習の過程で楽しいと感じるのは、どんな時だろう。いくつか特徴があると思う。

①自力解決を後回し

教師と分かる子だけの授業が続いてきた。そのため、自力解決時になると、じっと静かにしていた。仲間の話を聞いているだけの子がいた。私たちはこの子供たちへの配慮があまりにも足りなかった。そこで、自力解決の時間をできるだけ後回しにして、班での話し合いを優先した。そこが分からない子にとっては、分かることができる時間となった。問題解決の学習過程では自力解決を最初に行うが、あえて後半に行った。子供たちが解決のヒントを得る時間がたくさん続いたこと事が「分かること」になり、それが楽しい時間につながったと思う。

②小集団での話し合い

全体での考察や話し合いが当たり前のこととされてきた。これは、一斉学習からきていると思われる。私自身も何ら考えず全員による「考察」が重要と考え、その方法をいくつも試してきた。だが、その中で見たのは、やはり「分かる子」の挙手であった。じっと他の仲間の発言を聞くだけの子供たちには複雑な思いだっただろう。そこで全体考察の時間を減らし、小中集団での話し合いを多くした。井戸端会議のような気軽に話せる空間が子供たちに「楽しい」と感じたのは確かだ。

 

(3) 授業が終わっても終わらない

 研究授業でよく見受けられたことだ。終了チャイムが鳴っても、授業が振り返りまで行き着かず延々と授業を続けてる教師がいる。子供たちにとっては、「早く終わらないかな」の時間となる。だが、それもお構いなしに続ける。最後までいかなくてもそれで終わればいいだけだが、それが出来ない。

 中学生の授業を参観した。教師が終わらないのと違い、子供たち自身が「まだやりたい、まだやりたい」という思いが強く、授業終了後も続けた授業だ。子供たちは難しい課題ほど燃えた。それは、全員で解決しようとする気持ちが強かったからだ。ここまでいくと授業本来の姿となる。教師が日々、子供たちに授業の運営を任せてきたことも成功要因であろう。板書が子供たちの字で埋め尽くされていたことからも、授業をもっともっとという声が聞こえきた。楽しいのだ!




6 動きのある授業の作り方  (授業備品NO244)

 学習指導要領のアクティブラーニングは、これまでのような一方的な教育や指導を行う授業ではなく、子供が自ら能動的に考え、学習を進めていく教育法だ。具体的な学習方法として、グループによるディスカッションやディベート、グループワークなどを通じて知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験などを育成する方法がある。

 授業で子供たちが活き活きとしている時は、動きのある授業だ。教師から知識を教

わる、教え好きの教師の授業とは大きく異なる。教師が前面に出てくることはほとんどない。子供同士が、年齢を意識せず学ぶ。時には、上級生が下級生の相談役であり、指導役にもなる。学び方の「動き」のある授業の設定は、どの時間でも可能だ。


 

(1) 「立ち歩かない、私語禁止」等の授業の非常識

 こうした「立ち歩かない、私語禁止」がなぜ常識となっていたのだろうか。また、この非常識が今でも残っている学校もある。これは、授業は教師がコントロールするという思い込みからきていると思う。知識を教えたい、教師の指導技術を披露したいという発想からきている。学習塾や予備校は、典型的な例である。短時間の中に知識を詰め込むために、子供を受け身にさせ「立ち歩かない、私語禁止」を徹底している。私たちは、こうしたことを非常意識だと受け止めた。授業で分からなければ仲間に早く聞きに行く。仲間に教える。これは人が生きていく上の方法の常識ともよく似ている。授業も同じなのだ。今後は、「立ち歩かない、私語禁止」を子供たちに強制しないようにしよう。子供たちが自然体で立ち歩く、必要な言葉は交わすことを授業常識としたい。              

 

(2) グループワークが中心の動きのある授業

 教師からの座学中心の授業ではなく、子供たちが主体的に課題の追究のために仲間と話し合うような授業がよい。これまでのような教師側からの一方的な教育ではない。例に示すと次のような授業が考えられる。

①体育科の時間の時のような動き 体育科では机をほぼ使わない。話を聞く時は、座るか立ったままだ。

②開発された「動き方」の学びを生かす 動くラーニングを授業に取り入れる。

 

(3) 世界が開発した「動き方」ラーニング

 動きのある授業の実践は、日本が出遅れたと思う。世界では、100~200年以上前から行われている。

 動き方ラーニングは、「グループワーク」ともいえる。カタカナ文字が多いことに気付いていただきたい。

①PBL(プロジェクト・ベースト・ラーニング)課題解決学習。

②ジクソー 3人一組で異なる調べ方をして、A・B・Cの各グループに分かれ情報交換をする。

③シンク・ペア・シェア(小グループ学習) ペア学習。さらに2から3グループを作り内容を報告し合う。

④ディスカッション 与えられたテーマ課題に対してグループで話し合う。

⑤ラウンドロビン グループ全員が持ち回りで意見を言う。

⑥ピア・インストラクション ハーバードが開発。学生の理解度を図り議論し教え合う。学習とリンク。

⑦ワールドカフェ 小グループで席替えを繰り返しながら、あたかも参加者全員が話し合うような手法。

 

(4) 開発した「動き方」ラーニング

 私たちは、多くの関係者と動き方ラーニングの学び合いを開発した。教師は、できるだけ授業に関わらず子どもの主体性を尊重する。聞くだけや座学だけの授業ではなく、子供が自ら学ぼうとする姿勢がポイントである。

①跳びペア 隣とのペア学習は動かない。立って動いていくには「跳びペア」が有効。

②聞きに行く、教え合う自力解決 分からないことは聞きに行く、教える。

③大ホワイトボード 少人数や中グループで全員が考えをボード上に表明し、教科用語との構造化を図る。

④班の説明に全員が聞きに行く 一人が挙手する方法し発表する方法の逆。一つの班に全員が聞きに行く。

⑤挙手・指名・発表なし 出来るだけ子供が自発的に発する言葉がよい。

⑥黒板を子供たちが使う 子供が出来るだけ使う板書に変えたい。学習リーダーがその中心となる。

⑦予習型学び合い 反転授業ともいわれる。子供は予習をした上で、授業に臨む。

 

7 考える授業の作り方  (授業備品NO245)

 「考える授業」は、習得型授業の延長として位置していると思う。これまでの基本事項を教師が教えることも覆る。子供たち同士が基本的なことを学び、相互説明や教え合い・学び合い、活動などを通じてお互いに理解していく。授業の最後には、まとめや振り返りを記述する。この考える授業は、子供たちに課題解決方法を委ねるので感動的な授業となり奥が深い学びとなる。



 

(1) 教えて考えさせる授業からの脱却

 これまでは、基本事項は教師から共通に教えるものとされてきた。子どもたち同士がそこで得た知識や技能を使って教え合い・学び合い活動で理解をしていく。それは、問題解決的な学習や班学習等の中で行われ、理解されていく。これが当たり前とされてきた。ここに名人芸的な授業者が生まれた。

 この方法では、子供たちがいつまでも教師の存在を意識する。真に子供が主体的な学びとはならないし、名人芸的な授業者も高い技術を得ることは出来ない。教師がいつまでも授業の主役になっているからだ。これを変えるには、「子供全員が活躍する授業」、「アクティブな授業」に還ることだ。教師が「教えて考えさせる」のではなく、子ども達が主体的に「考える」ように支援することが重要だ。

 

(2) 考える場面

 一斉学習が主体の形態は、現在でも行われている。机自体が一人用であるので考える場は、一人学びの場である。いまだに、それが当たり前と考えている教師もいる。だが、学校の存在の意味から考えると、考える場は、子供たち同士が考お互いに考えを共有する時であるので、一斉学習の場だけではないことに気付くことだ。

①仲間と対話をしながら考える(グループワーク)

 まずは、自力解決からと考えがちだがグループワークから始めるのも一つの方法だ。これまで、問題解決的な学習の方法では、課題設定の後、「見通し」を立てて「自力解決」に入っていた。これが当たり前の問題解決的な学習方法ととらえていた。だが、学習が理解できない子にとっては苦痛な時間であった。

 全員、課題解決が出来ない場合や、見通しが立たない場合は、グループワークを行う。この方法に学び、課題の難易度に関わらず、グループワークを行ってから(見通しを含めて)一人学びに入ると、子供たちはよく考えると思う。最初に自力解決ではなくグループワークから入ることをお勧めしたい。

②全体で対話をしながら考える

 定番の考察は、全体での挙手・指名・発表の場が多い。ここは、「分かる子だけの発表の場」「教師の腕の見せ所」という場になりやすい。これを解決するために、各班で話し合ったら、一つの班が全員に向かって情報を発信する。すなわち全体で対話をしながら考える場を設定した。これにより、気軽に全体で話し合う雰囲気が出来ると思う。

③タブレットと対話をしながら考える

 タブレットを使用することで未知の学びに入ることが出来る。タブレットは、仲間とのチャットの場であり、全員の考えを瞬時に受け止めることが出来る場だ。この意味からタブレットとの対話は、完全な個人学習ではない。画面を通して、子供同士が情報を共有し合い考える場なのだ。

④自力解決時に考える

 自力解決は、授業の最後の場であってもよいことは、グループワークで述べた。一人で考えられるのは、課題の解決が出来る時だ。まずは、分からないことを仲間に聞き、ノートを写したり、教師からヒントをもらったりしてから自力解決は入った方がよいと思う。

 

(3) 自力解決は問題解決的な学習の段階で柔軟に扱う

 外国の「学び方」を多く学ぶと、学び方には型がないことが分かった。私たちも笑顔いっぱいの子供たちの学び合いを見ると、柔軟な問題解決方法がよいことに行き着いた。これまで学習スタンダードの開発を行ってきたが、改めてそれは基準であることも気付いた。解決活動の柔軟化を目指すとよい。

 

8 考察方法一覧 (授業備品NO207)

 変わらない授業の一つに「考察方法」がある。自力で考え、班に集まり「班員が全員で考えた」としていつも同じ子がホワイトボードに「その子の考え」書く。そして、1班から順に発表する。全員活躍型授業やアクティブラーニングの趣旨からも絶対にやってはいけない事項の一つだ。解決方法として、考察方法一覧にまとめた。

 今回は、R4.11.12の高知県越知小学校の授業を見てまとめた。考察方法は無限にある。

 

(1) 構造化考察+情報考察(中Gで各自の意見とキーワードを関連付ける)

 班を二つに合体した中グループで集まる。自分の考えの短冊と本時のキーワードと関連づけて課題解決のための構造化を行う。大きなホワイトボードやタブレットが中心となる。キーワードは板書と同じようにするために小さな「孫カード」を用意する。そこでまとめた考えを、小さな用紙に書き写す。その後、ワールドカフェに移る。各班を回り、意見交流。その後、情報考察。構造化考察で出た中Gの意見を黒板に掲示し学級で一本化を図る。学習リーダ―が共通点や違う点をマーカーで線を引き違いを見つける。「つまり」をつかって集約する。

 

(2) ゼミナール方式での考察

 一人学び(自力解決)を行。そして自分の考えを短冊に書く。次に学級を3グループに分け、短冊を出し合い、意見調整を行う。全体学びでは、似ている意見の仲間分けを行う。その後、挙手をし合い全体としての考察を行う方法。

 

(3) 3色マーカー方式での考察

 グループで本時のキーワードと自分の意見を融合し大ホワイトボードに書く。その後、全員が他の班の大ホワイトボードを見て3色マジックで感想の線を引く。その後、全班の大ホワイトボードを集合し、質問し合う考察。「同じ、似ている線には青線 ・気付かなかった、面白い意見には赤線 ・質問したい意見は緑線」

 

 

(4) 短冊の掲示をする考察

 自力解決で全員が短冊に考えを記入。短冊の内容をペアでお互いに説明。短冊を黒板に個人個人でカテゴリー分けをしながら掲示して考察を行う。1分間見て気付いたことを発表。

 

(5) ワークシートを利用した考察(主に国語)

 自力解決でワークシートに各種の線を引く。4人班で一つの中ワークシートに全員で協力して記入する。中ワークシートを黒板に掲示し、教師が用意した模造紙上で全員による考察。キーワードとの関連を重視した考察となる。

 

(6) ホワイトボードに全員書き発表する考察

 自力解決後、それぞれのホワイトボードを個々に記入。4人班でそれぞれが書いたホワイトボードを発表。

 全員のホワイトボードで仲間分けをする。この考察方法は、アクティブ・ラーニングの基本の学びの一つだ。全員活躍型の学びとなるためには、まずは、この方法からアクティブ・ラーニングを始めるとよい。

 

(7) 孫カード(キーワードの小型化)を使用した考察

 ホワイトボード(孫カードあり)を個々に記入。ホワイトボードをペアを替えながら見せ合う。全員のホワイトボードを黒板に掲示する。1分間見て、まとめにつながるホワイトボードを見つけて理由を言いながら発表。

 孫カードは、子供たちにとってヒントを与える学びにつながることを確信。

 

(8) 自分の班のWBを写真に撮り、ロイロノートにアップする考察

 各自の考えを短冊に書き、それを基に各グループで話し合う。大きなホワイトボードを使用する。それぞれの共通点や相違点をまとめ、グループ考察を行う。その後、他のグループと交流。各班で話し合ったことをもとにペアで交流をする。自分の班のWBを写真に撮り、ロイロノートにアップする。自分たちの班で出た考えを他の班の仲間と交流をする。

 

(9) ワールドカフェ出張版による考察

 自分の考えを出し合い、ロイロノートにアップした後、自分の班の説明を自由に伝えに行く。その後、各自で考えをまとめ、大付箋に書き黒板に貼る。付箋の内容を学習リーダーがとりまとめる。

閲覧数:75回0件のコメント

Comments


bottom of page