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出版社 教育開発研究所
2021年4月22日
連絡先☎03-3815-7041(担当武田様)
直接連絡の場合は、特典があるようです。
新刊を出しました。教育開発研究所(教職研修)の武田様よりインタビューを受けました。「理論より具体策」にこだわりました。
「本書の著者である西留安雄先生に、多忙な学校の現状を変えていくために必要なことをうかがいました。」
免許更新制、全国学力テスト、授業時数の増加、学校評価やいじめアンケートの集計……などなど、学校には上から膨大な仕事が次々と降りてきて、変えられない部分が多くあります。しかし、昨年に廃止が進んだ認め印のように、昭和の頃から当たり前となってきた学校の「仕組み」のなかに、多忙を生み出しているものはないでしょうか。
これまで国や各自治体で、色々な政策や施策が打たれてきたと思いますが、それでも学校の多忙はなくなっていないのはなぜでしょうか。学級の人数を減らすとか、事務員の数を増やすとか、教師やサポートの数を増やすとか、そうしたことを外からいくらやっても、残念ながら学校の多忙感はこれからも続くと思います。私が日本全国を回ってわかったのは、学校の仕組みはどこも同じだということです。
だから、校長は「人」に頼った学校経営をするのではなく、多忙を生まない「仕組み」をつくってほしいのです。その「人」がいなくなっても、異動しても、「仕組み」さえあればその後も学校は動きます。
転勤してきたばかりの学校というのは、マイナス面がよく見えます。そのとき怖がらずに、「こうしたらどうかな」と言っていく。そして、それを受け入れる学校文化の土壌というものをつくっていく。それが校長の仕事だと思います。
そのやり方がわからないというときは、私たちがもがいて形にしてきた仕組みやノウハウを活用してほしいです。その筆頭が「直後プラン」という手法で、その都度その都度、ショートショートでサイクルを回すんです。立ったまま話し合って改善策まで出し、次年度の計画案を作成してしまう。そうすると年度末や年度初めの会議がいらなくなるんです。
本書『超多忙な教師たちを救う 学校改革の極意』では、そういった様々な仕組みを紹介しているので、ぜひ参考にしてほしいです。また、学校は多忙と言いながらも、やらなければいけない仕事は基本的に決まってるんです。それを洗いざらい全部出してみて、いるものかいらないものか整理してみることが大切です。
そのときに必要な視点は、「学校の都合だけでやっていないか」ということです。
たとえば、行事のたびに出していたプリント。もらった親はそのたびに見ないといけません。親の気持ちを考えていないということなんですね。それを、毎月の学校だよりに一気に載せてしまうわけです。学校の負担は減りますし、親も何回もプリントをもらうより1枚ですみます。こういうことが地味なんですけど、なかなか実行されないんですね。
学校の中にいる人間にしか、学校内部の改革はできません。学校の中の人間が、自分たちで仕組みを変えていかなければいけない。そして、それを永久に追い求めていくという姿勢が大切なんです。多忙感は学校自身が生み出したものだと私は受け取ったし、厳しいですけど、外からお手伝いが増えても変わらないと思います。
学校自身、教員自身が新しい物を受け入れて、新しい仕組みをつくらなければいけない。このことを意識することが、多忙な日本の学校の現状を変えていくために必要なことではないでしょうか。
本書は、「PDCAをやめる」「◯◯委員会をなくす」など、多忙を生み出してきた学校の「仕組み」を根本から変える方法を紹介していますので、ぜひ取り組みやすいものから挑戦してみてください。多忙な学校を改革したい、教師が子どもと向き合える学校にしたいと思っている先生方の助けになることを願っています。
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