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  • 執筆者の写真西留安雄

授業備品 NO.171(2021.10.10)神奈川県横須賀市長沢中ベーシック(神奈川フロンティア事業)

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 神奈川県横須賀市の長沢中学校は、大きな学校で1学年4~5学級ある。研究3年目に入るがここで大きな進展を見た。長沢中ベーシックで大事にしている点は、①「教科リーダー」の活躍 ②ブラブラタイムを授業の中で何度も取り入れる ③班活動の重視(ペア学習も含む)等だ。やってみたい教師から取り組みを始めることも功を奏した。本論文は、学習指導案に添えて全教員に配布された。中学校教員の意気込みを感じた。中学校もやればできることが証明できている。中間発表会も近い。生徒が活躍するのが今から楽しみだ。(西留)




フロンティア研究授業を行うにあたって

1年理科担当 授業者 

1.はじめに

 長沢中学校としてフロンティア研究授業を取り入れて3年目となる。K主任を初めとして、多くの先生方が長沢ベーシックの授業を取り入れ、その授業を見させていただいた。それらを踏まえて、個人的に今回の研究授業に向けて考え実施してきたこと、授業に意図的に取り入れたこと、提案したいことなどを取りまとめた。何かの参考になれば幸いと思いながら、これからもさらに深化、発展させた授業を展開できるよう努力していきたい。


2.個人研究テーマ

~長沢ベーシックを取り入れながら授業内容を「深める」ことへの挑戦~


2.1 これまでの研究と課題

 教師になったときに、「わかりやすい授業を目指すべし」と何度も教え込まれてきた。その方法を研究し、理論を学んできた自分にとって、新しい学習指導要領となり、全教科がいわゆる「総合的・包括的学習方法」を取り入れながら「支援教育」を実施することを考えたとき、授業をどのように進行するかが自分にとって課題であった。そこで2年間、長沢ベーシックを取り入れながら授業することで、課題と成果をみつけることができた。


① 主体的に学ぶ=学習リーダーに司会させることだけではできない

 授業の司会進行を生徒にゆだねる学習方式だが、これだけ実行しても、生徒が役割を果たすだけで、主体的に学ぶ姿勢につながらなかった。長沢ベーシックの入り口としては、とても有用ではあるが、学習リーダーを育成しながら、学習者の学び方を指導していかなければいけないと感じた。


② 学習リーダーの育成が授業の深化につながる

 いわゆる台本方式で授業をすすめても、生徒が授業を進めたことにはならなかった。そこで、学習リーダーの研修会を行い、授業中に学習リーダーと進捗状況を確認し合うことで、格段に授業は進むようになった。

 このとき気づいたのは、「通常の授業準備より、学習リーダーの育成の方が難易度はずっと上」だということだった。教師が授業を進めないということは、授業のいわゆる「余白」がないため、ゴールに向かってより一直線に進まないと、すぐに脱線してしまう。だからこそ、今まで教えてきたことをそぎ落とし、必要な部分だけを伝えなければならない。これこそが教師の指導方法のあるべき姿なのかもしれない


③ 意識的に教師が話す時間を減らす

 学習方法が変わっても、教育課程が変わるわけではなく、授業は50分で終わってしまう。だからこそ、教師側の授業時間の考え方を改める必要があった。これまでは「何分教えて、何分考えさせるか」だったのに対して「意識的に教師が全体に語り掛ける時間」を減らした。授業によっては、0分の時もある。

 ただ、その分「個人に話しかける時間」は猛烈に増えた。いわゆる支援教育的な立場にたって、学習者のレベル差に応じて、個人対応する時間を増やしたのである。少なくとも授業中寝てしまい、違うことをしてしまう生徒へのアプローチの回数は激増した。


2.2 今回の研究授業で意識したこと

① 長沢スタンダードを導入しやすい備品の提案

 この研究授業が、新学習指導要領が実施され、5年後などもっと時間がたっていれば、このような必要はないと思うが、やはり一番初めに何をすればいいのかが、すごく手間取った。

 授業リーダーを育てるにも、何を用意して、どう育成するか。授業時間をどう調整して、プリントの形をどうすればいいか。もちろん、0から作り上げることも大切だと思うが、最初に導入しやすい形を取り入れてから新しい形を積み上げていくこともよいかと思い、グッズを各種かんがえた。


② 生徒の発想をどう掘り下げていくか。

 これについては、多くの先生がやられているだろうし、改めて提案する必要がないと思うが、生徒の発想をどう深めていくか。一元的な答えだけではなく、答えを問い返したり、深めたりする時間および授業展開を提案する。


③ 従来の授業スタイルとの比較

 今回の授業だと、多くの先生は「教える→問題を解かせる→解答と合わせる」で1時間の授業かと思われる。そこを思い切って、問いを絞り「教える→考えて答えを出す→その答えをさらに深める→まとめる」と練習問題をカットした。考える時間は増えるが、少なくとも教え込む授業ではない形を提案する。


④ 個の支援に対する教師の動き方

 全体授業の時にできない、全体授業の中の、「個に迫った指導」を「どれだけ授業中に時間が取れるか」の視点から、生徒が進行している間の時間を、教師の回る時間として活用する。これは、新しいT2授業にも使えると思う。


⑤ 学習リーダーの育成

 生徒が主体的に学んでいく際に、柱となるのは学習リーダーの主体性だと思う。生徒が教師の背中を見て育つのと同じように、学習リーダーの学ぶ姿勢は、生徒に大きく響いていく。そして学習リーダーを中心にどんどん評価する。それらが積み重なることで、学習リーダーにも主体性が育っていくと考え、授業中に実践する。


⑥ 学習のゴールの設定

 トレーニングにしても、マラソンにしても、「ゴールが間違っている」と勉強にならない。だからこそ、授業にゴールの設定を導入した。これは教師側の想いもあるが、「生徒が考える」方式にした。学習者として、学びの姿勢=ゴールと考え、交流の中でゴールを見つける。


2.3 まだできていないこと

① オールフロンティア方式の導入

 生徒が進行していくときに、本来であれば「司会の進行用紙」がなくてもできるようにしたい。ただ、学びの過程でいろいろな学習のしかた(例:問いを見つけて、答えを考える。たくさんの人の間違った考えをただすなど)を身につけていくうえで、いろいろな授業展開を学習リーダーができると考えた。その点、1年生ではまだ「司会原稿を用いた型にはまった授業」からは脱却できていないが、今後はレベルアップさせて、行っていきたい。


② ICT機器の活用

 GIGAスクール構想から、タブレット端末の活用は大きなキーワードではあるが、まだその整備ができていない。表面上は写真をとるなどでもいいが、やはりフロンティア学習を進めるうえでの一つのパーツとしてタブレットを活用したいが、まだその方法が見いだせていない。今回の授業でも使用できていない。


③ 生徒の学ぶ姿を評価する資料がない

 学習者の学びの定着度を示す評価ではなく、新学習指導要領式で正しく学べているかを振り返るための方法がまだ定着していない。授業後反省会を行うが、まだ回数が浅く(3回目)、それの必要性が生徒に浸透しきれていない。「効果的な学ぶ姿勢の評価とは」をもっと研究していきたい。

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