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授業備品 NO.286(2025.8.21)「先生の壁を子どもが崩す」~子どもたちが読んで下さい〜

  • 執筆者の写真: 西留安雄
    西留安雄
  • 9月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:9月6日

PDF版(クリックで表示されます。)


 皆さんに知って欲しいことがあります。「研究授業」のことです。年度の初めに研究授業を誰が行うのかを決める時、「去年、一人何回研究授業をやったか」、こうしたことが先生の中から出ます。新しいことを始めようとすると、消極的な先生もいます。研究授業は・・・。おそらく先生自身が学んでこなかったのが原因だと思います。多くの先生たちは、研究授業を前向きにとらえやろうとしている中でこうした事が起きます。

 私は、「先生の壁」と名前を付けました。研究授業を避けたがる先生には特徴があります。普段の授業が先生だけのものになっているからです。具体的には、授業が先生のぺースで行われているからです。「授業が先生の目線で進む」とも考えられます。

 私は、なぜ、こうしたことが起きるかを考えました。原因は、「授業の学習過程」にあります。授業の進め方、つまり、学習過程が先生の目線であるべきということに固執しているのです。教科書の内容を伝えて教え込む。分かる児童生徒と教師の1対1で進める。板書を書き児童生徒に写させる。明治から行われてきた、とりわけ一斉学習の授業方法から抜けきれないのです。

 それを変え、子どもたち目線での学習過程に変えればいいのです。つまり、「めあてをつくり、自分でまず考えて、仲間に伝え合い、仲間とまとめて、最後は振り返る」、ということが出来ればよいのです。仲間と対話をする授業を行っていけば、楽しくなります。孤独な仲間もいなくなります。その方策が、「授業を子ども達で進める(セルフ)授業」「授業から先生の気配を消す」等です。

 そのための新たな具体策を紹介します。学習指導案を学習活動案に変え子どもと教師が作成します。教師だけの単元計画を実践ノート(学習課題を子どもたちが考えます)に変えます。教師だけの研究協議会を止めて、生徒と教師の合同の振り返る会にします。新しいことですので、ここ数回の授業備品を見て下さい。

 研究授業は、教師だけが行うものではありません。子どもたちが自分たち自身で取り組むことです。すでに、全国では、研究授業を「授業祭」と名前を付け、子どもも教師もみんなで盛り上がっている学校があります。

文部科学省は、「主体的で、対話的で、深い学び」「個別最適な学び」「協働的な学び」と教育改革の提言を出してきています。私は、そのための方策は、「子ども参画」だと思います。大人だけで決めては、前に進みません。

〇研究部の生徒の声(授業備品247号)授業の前の中学生の言葉

~「研究授業って誰のためのものでしょう。勿論、先生方のためでもあると思います。でも、勝手に研究されることは、私はすごく嫌です。小学生の頃、何でこんなことやんなくてはならないんだとずっと思っていました。だから今の長沢中のように、私たち生徒自身のためにもなる研究授業の方がよいと思います。

 今回は生徒が創る授業です。自分たちで話し合うところをどうぞご覧ください。いつも実行委員が中心になり動いていますが、今回は班長、道徳係もファシリテーターの役割をします。これまで班長やリーダーとしての動き方の打ち合わせをしてきました。通常は実行委員が中心となりやっていることを班長や道徳係も行うように計画しました。実行委員が見本を示し、班長が実際授業の中でも動ける練習をしました。だから班長も自分毎のように伝えられるようになっています。道徳委員だけでなく実行委員も班長も動く力をつけています。

 実際、自分もスマートレッスン(教師がいるセルフ授業)をして、①周りを見る力 ②相手の意見を取り入れる力など受け入れる力が身に付きました。それにこんな考え方もあるんだということも知りました。Aさんはどうですか。

 A「私の考えるスマートレッスンのメリットとしては、先生方がいない分、自分たちで課題や問いの解決が出来ます。ですがデメリットもあります。先生たちがいない分、自分たちで進めることはとても大変なことです。小学生の頃は、先生たちが授業を進めてくれたので考えようとしませんでした。今は、授業を進めることは、とても大変なことだと実感をしましたが満足感もあります。」

私はこれまで学習とは、受験のため知識を身に付けるためのものと思っていました。勿論、今まで通り先生に教えてもらえるような授業をやってもらいたいという人や、Aさんのように自分たちで授業を回すのは大変だなあと思う人もいると思います。ですが、実行委員としてやってみて気付いたこと、Aさんのように自分で意見を考え考察するのが楽しいということ等でこれこそ学びであると考えるようになりました。

 この学び「スマートレッスン(先生のいるセルフ授業)」で身に付けることが出来ます。これを身に付ける人は実行委員、道徳係、班長、班員の全員です。こうしてクラス全員に広がっていくと、楽しさに気付いて動けるようになれば、よりよい学校づくりに必ずつながると考えます。学力とは、勉強が出来るだけではない。学びとは何なのか、学びとは楽しいものと感じてもらえると嬉しいです。ありがとうございました。~

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