授業備品 NO.313(2026.8.1) 研究推進への道筋
- 西留安雄

- 3 日前
- 読了時間: 6分
PDF版(クリックで表示されます。)
「セルフラーニングの研究を進めるにはどうしたらよいか。」という質問が届く。学校の様子、特に教師の様子により研究推進の進度が違ってくる。最初からスムーズにいくという学校もあれば、多くの教師は理解するが、一部の教師が難しい学校もある。一気に研究先進校に追いついた学校の研究の道筋を整理してみた。
1 「授業の主語=子ども」の徹底
「主体的で対話的な深い学ぶ」現行の学習指導要領を再徹底。一斉指導、挙手指名発表、教師一人で話し続ける、これらは授業の主語=教師だからだ。授業の主語=子どもにかわったことを校内でまずは共有。
2 問題解決的な学習過程(法的拘束)の理解
学習指導要領「第1章第3の1(1)。物事の中から問題を見いだし,その問題を定義し解決の方向性を決定し, 解決方法を探して計画を立て,結果を予測しながら実行し,振り返って次の問題発見・解決につなげていく過程」とある。この問題解決的な学習過程を全教科で徹底する。
3 学習スタンダードの理解と進化
問題解決的な学習過程を具体化したのが、学習スタンダードだ。授業備品第1号(H.27.6.2)には、問題解決的な学習過程を「課題の提示→問いをもつ→問いの共有→自力解決→集団解決→価値の共有→振り返り」とした。まだ「見通し」が出るまえだ。進化した2030学習過程は、①前時の振り返り ②問題(資料)の提示 ③気付き→④学習過程の設定→⑤見通し(教科用語中心)→(ここからは解決活動の自由化→⑥自力解決→⑦考察(集団解決)→まとめ→振り返り)だ。

4 学習過程の段階の詳細(授業備品259号 6.8.1新問題解決方法(授業備品309号)を参照)
① 課題(めあて)②見通し ③考察等は、特に留意し、具体化を図る。
5 2030セルフラーニングの特徴(授業備品307号)
2030型学習スタンダード(セルフラーニング)の特徴の一つは、「選択」がキーワードとなる。

6 学習評価の可視化(授業備品298号)*学習指導要領の子供の自己評価相互評価にあたる。
㋑体育館に集合(数値による見える化)

めあて・見通し・キーワード・リーダー・ 考察
7 セルフラーニング
セルフ授業とは、教師の一方通行授業や一問一答の授業ではなく、子ども同士が交流をする授業(アクティブ・ラーニング)のことだ。その中で教師ぬきの授業をセルフ授業と称している。
従来の指導者主体の授業から抜け出せない教師に 「子どもは主体的・協働的に学ぶ力を持っている」ことを早く気付いていただきたい。
8 学習リーダーの育成(授業備品246号)
子供が授業を創ることから考えると、教材研究や授業準備も学習リーダーにも役割がある。教師主体の授業意識を変えるためにも、子どもが授業を創る方法に転換したい。教師は、学習のファシリテータに徹する。
9 CDを子どもと教師が観る。
国立研究所2020年6月「主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の視点について」の記述 1
主体的・対話的で深い学びの主語は『子供』 この文章は授業改善の視点として示されているものであるが,主語が子供=学習者になっている。中央教育審議会は論議の初期から従来の学習指導要領は「教員が何を教えるか」という観点を中心に組み立てられており,そのことが,教科等の縦割りを越えた指導改善の工夫や,指導の目的を「何を知っているか」にとどまらず「何ができるようになるか」にまで発展させることを妨げているのではないかと考えていた。そこで答申では「まず学習する子供の視点に立ち,教育課程全体や各教科等の学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から,育成を目指す資質・能力を整理する必要がある。その上で,整理された資質・能力を育成するために「何を学ぶか」という,必要な指導内容等を検討し,その内容を「どのように学ぶか」という,子供たちの具体的な学びの姿を考えながら構成していく必要がある。」と述べている。子供が「どのように学ぶか」の姿として示されたのが「主体的・対話的で深い学び」である。一方,指導する教師の立場からすると,子供の「主体的・対話的で深い学び」の実現のための授業改善の視点とするためには,授業をどのように変えていけばよいかが明示されていた方が理解しやすいのではないかと思われる。
教育委員会が作成している授業の指針の主語は『教師』 都道府県や市町村教育委員会は多様な授業の指針を作成している。これらの指針は授業のモデルとして示されているものもあるが,学習指導要領と同様に授業改善の視点として示されているものも多い。しかもそのほとんどが主語を教師=授業者としたものであり,主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の視点を説明したものになっている。 そこで,インターネットを通じて都道府県及び政令市教育委員会が作成した主体的・対話的で深い学びに関する授業の指針を収集した。教育委員会によっては,国の枠組みとほとんど同じ内容で教育委員会の指針を作成しているものや,授業モデルとして簡潔にまとめているものもある。それらの中から教育委員会独自の視点が読み取れるものを選定し(秋田県,福島県,栃木県,群馬県,名古屋市),主体的・対話的で 深い学びの視点に従って分析した。
授業改善を学習者の視点と授業者の視点から 分析対象とした授業の指針には中央教育審議会と同様に子供の学びの姿を記述しているものもあったが,子供の学びの姿を示すと同時にそのような子供の学びの姿を実現する教師の働きかけの在り方について記述されていた。これらの記述形態を参考にすると,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の視点として,学習者からの記述に加え,授業者からの記述を併せて示すことの有効性が示唆された。分析対象となった授業の指針に示されている授業改善の視点を主体的・対話的で深い学びの枠組みで再構築すると,主体的・対話的で深い学びを実現するために教師が何を取り組めばよいのかが明示的に示される表となった。 |
始めての訪問校を尋ねると、「廊下まで聞こえる教師の声(道路まで聞こえる)」「教師の板書中心で進める一斉学習」「分かる子と教師だけの対話」。学習指導要領の理念が浸透していないと思った。この原因は、国立教育施策研究所が分析した教育委員会の作成文書の授業の主語=教師に似ていると思う。研究主任が子ども主体の授業を進めようと教師に伝えても、授業の主語=教師であるという誤った常識。手っ取り早く授業を進めようとする手抜きの授業者に阻まれる。学校長や研究主任が悩み、メールをいただいた事もある。過去には、「基礎基本」「見方・考え方」も問われた。それを一蹴したのが学習スタンダードで進める学校だ。教師は「ファシリテータ」に徹し、子どもを見守っている。その学校は、毎年、全国学調もよい結果を残している。新しく研究を進める学校は、先進校に学び前述した方法でセルフラーニングを進めて欲しい。教師が一枚岩になれば結果はすぐ出る。




コメント